2013年9月17日
内閣官房内閣情報調査室「意見募集」係

福岡県地域人権運動連合会
会 長  川 口  學

「特定秘密の保護に関する法律案の概要」について

意見骨子:特定秘密の保護に関する法律案に反対し撤回を求めます

理由:その1
「特定秘密保護法案」は、平たく言えば国民に対して「見ざる言わざる聴かざる」という「三猿」を一方的に押し付けるもので、日本国憲法第21条「集会・結社・表現の自由・通信の秘密」に違反する稀代の悪法です。国民の知る権利、知らせる自由、権力や多数意見の横暴に対して意義を申し立てる集会の自由など、極めて基本的人権の要になる国民の権利を全面的に否定するファッショ的法案であり、強く撤回をもとめるものです。

理由:その2
「特定秘密保護法案」を提案する政治的背景には、2012年4月の「自民党憲法改正法案」の流れと連動するものがあります。「改正法案」は憲法97条の国民の基本的人権を削除したうえで、民主主義実現の重要な手段である「表現・結社の自由」を「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社することは、認められない」としています。この内容は戦前の治安維持法や破壊活動防止法の「復権」を想起させるものです。破壊活動防止法は「暴力主義的破壊活動を行なう明らかなおそれ」という曖昧な用件を口実に、公安警察による国民弾圧の根拠をつくるために制定された弾圧立法でした。

理由:その3
「特定秘密保護法案」は、国策で推進されている原発やオスプレイ配置・米軍基地などに反対したり、「TTP」参加、社会保障改悪、消費税増税など、国の主要な悪政に反対する集会やマスコミなどに対する投稿など、すべて「公益に反する行為」として取締りの対象になります。それは、もの言わぬ国民や独裁者国家作りに道を開くものといわざるをえません。
理由:その4
「特定秘密保護法案」のパブリックコメントの期間が9月3日から17日までとわずか2週間と短いことです。国民一人一人の基本的人権に係わる重要な法案であるにもかかわらず、極めて短期間で一気呵成に決める手法は「ファッショ的行為」といわざるをえません。国民や日本の未来に大きな影響を与える法案については、時間を十分にかけて広く公論を喚起して、決めるべきものです。拙速にことを決めてはなりません。

理由:その5
私たち福岡県地域人権運動連合会は「憲法の基本的人権を地域社会で花開かせ、市民の誰でもが自由に意見を表明でき、行動することで、いつまでも幸せに暮せる地域社会の実現をめざし」て運動をしている人権運動団体です。その意味から憲法の基本的人権を否定し、市民に「見ざる言わざる聴かざる」の「三猿」主義を強制、処罰しかねない危険な「特定秘密保護法案」に強く反対することを表明、同法案の撤回を求めるものです。