原爆症認定訴訟 熊本地裁でも原告勝利~国6連敗
広島、長崎で被爆した熊本県の21人(うち6人が死亡)が、国の原爆症認定しないのは違法とし、却下取り消しなどを求めた集団訴訟の判決が7月30日、熊本地裁(石井浩裁判長)であり、「被爆状況や被爆後の行動などを総合考慮すべきだ」として国の基準認定が妥当でないと判断、19人を原爆症として認定、処分を取り消しました。
この1年強の間で、認定基準をめぐる訴訟で国は6回の敗訴を重ねており、原告、支援者らは「国の認定審査のあり方をただす司法の流れは定着した」との見方です。
被爆者は高齢であり、一刻も早い解決が求められています。
8月5日、広島市内で被爆者団体の代表と懇談の中で、安倍晋三総理は原爆症認定について触れ、「専門家の判断のもとに、見直すことを検討したい」と表明しました。
柳沢伯夫厚生労働相は翌6日、安倍首相の発言を受けて、1年ぐらいでの見直しになることを示唆しました。
具体的なものではなかったものの、首相、厚労大臣が言及したことで被爆者の高齢化の中、政治的解決に向けた第一歩となるか注視されるところです。