沖縄戦の集団自決問題と国民の力。
筆者が物心付いたころにやっていたのがベトナム戦争。そして筆者が生まれる少し前に終結したのが、太平洋戦争である。だから筆者は、この二つの戦争には、大いなる関心がある。
太平洋戦争の戦記物は、研究者が書いたもの、士官学校・兵学校を卒業した用兵側が書いたもの、そして実際にたたかった下士官・兵出身者が書いたものに大別できる。概して下士官・兵の体験記が、戦争の実態を良く伝えているように思う。
沖縄戦をたたかって生き残った兵士や民間人の手記には、集団自決の件が必ずと言っていいほど出てくる。そこには赤裸々に、軍の関与が書かれている。南京大虐殺についてもそうだが、その存在を否定する人間が、現地で体験者や被害者にインタビューをした記録がないのは、どういうことだろう?
政府が沖縄戦の集団自決に対して、軍の関与を削除させたことに対し、沖縄で11万人が総決起した。この県民大会については、さすがに文部科学省も無視するわけにも行かないようだ。やはり国民の団結の力は偉大である。