時事通信によると、日本経団連の御手洗冨士夫会長は、2009年度の基礎年金の国庫負担引き上げに伴い、同年度中に現行5%の消費税率を7~8%に引き上げるべきだとの考えを明らかにしたとのこと。
今回の御手洗発言は、基礎年金の国庫負担引き上げや道路特定財源問題を契機に、政府・与党内に税制抜本改革の機運が出始める中、これまで大もうけをしながらも政府自民党の法人税率大幅引き下げで利益追求を行ってきた大企業の法人税率のことに早々と蓋をして、国民の視点を消費税に向けさせようとする御手洗氏らしい発言だと言える。
経団連は、例年より前倒しして7月にもまとめる抜本税制改革への意見書に、消費税率の2~3%引き上げと来年度実施を明記する方針だといわれているが、本来、それを受け取る側の政府は自ら大企業・資本家優先の愚策を行ったがために現在の非正規労働や貧困、偽装が蔓延したことを忘れてはならない。
また、経団連も「もっともっと税金をまけろ」というだけでなく、ヨーロッパ並みとはいわないまでも、せめてアメリカ並みの税金は納めるべきたろう。コンプライアンスを掲げながらそれを守らず、自社の内部留保と株価にだけ関心を示す古い企業体質からの脱却なくして、本当の意味での日本経済の建て直しはできないことにそろそろ気付いてもよいのではないだろうか。
それにしても「厚顔無恥」とはこのことか。ガソリンが来月リッターあたり12円程度値上がりすると言われている中で、今度は消費税増税論議、政府自民党や各党の動きが注目される。