東京都で再び感染拡大。五輪を目前に緊急事態宣言へ逆戻りしました。新型コロナウイルス感染拡大は、日本では最初の武漢型からイギリス型変異株(アルファ株)にほぼ置き換わり、いままたインド型変異株(デルタ株)に置き換わりがはじまっているようです。インド型変異株は、現在、東京を中心とする首都圏を中心に広がりつつあるようですが、すでに近畿圏などでも感染が確認されるなど、今後、急速に置き換わるとも専門家の間で危惧されています。
専門家会議の尾身会長や東京都医師会幹部は、早くから五輪開催と感染拡大に関する危険性を菅首相に提言していましたが、菅内閣は聞く耳をもたずといった姿勢に終始しました。

専門家会議の感染予測よりも急速に進行しつつある東京都の感染数字はグラフにしてみればあきらかです。諸外国でもイギリス型変異株からインド型変異株への置き換わりスピードは、それまでのものと比べようがないほど急速に進んでいることが報告されています。こうしたアルファ株、デルタ株に加え、デルタ株が更に変異したベトナム型変異株、更にそれとは別にペルーなどで急拡大しているラムダ株の存在もあります。

東京五輪・パラリンピックは、無観客となった場合でも、海外からの選手やマスコミなど大会関係者は5~7万人ともいわれ、日本国でのボランティアや大会関係者はかなりの人数に上ります。医師や看護師のことが以前問題になりましたが、今回、全国から警察官6万人が動員されることも発表されました。

このように東京五輪は無観客であっても結局多くの人が動き、そして集うことになります。政府は東京五輪にかかわって海外からの来日者は公共交通機関での移動はないといってきましたが、タクシーが大会関係者を乗せるときだけ非公共交通機関の「ハイヤー」に変身(紙を1枚はるだけ)して業務を行うなど、まさに抜け穴だらけの東京五輪の開催となるようです。五輪のあとのパラリンピックでも人の流入と移動は同じようにあります。

安心・安全を掲げた東京五輪とパラリンピックは、本来、こうしたときに開催すべきではないでしょう。参加する選手も、気持よく安全で安心できるときに競技に参加したいと思っているのではないでしょうか。更に西村担当大臣の酒・アルコールいじめの発言や指示文書は一部撤回されたものの、権力の乱用に他ならず、人権の視点から考えて、この間行われてきたいまの政府菅内閣や東京都小池知事などの政治姿勢には疑問と疑念しか湧いてきません。