雑感

08年9月9日 火曜日

あなたとは違うんです

福田首相が安倍前首相に続き、政権を投げ出した。退陣記者会見では逆ギレして「あなたとは違うんです」という迷言を残した。今年の流行語大賞でもねらうつもりなのか。
「あなたとは違う」のは当たり前だ。金子みすゞではないが、「みんなちがってみんないい」。当たり前のことを、しかも記者を見下すように吐き捨てるのでは、首相はもちろん、政治家としても失格であろう。
後継者として名乗りを上げた面々を見ても、福田氏が政権を投げ出した、その根本原因の究明はない。結局は福田路線の継承か、破綻した「構造改革」を復活させようとするかだ。これでは早晩行き詰まりに直面するだろう。
自民党総裁選を「枯れ木も山の賑わい」とばかりに乱立させ、国民の目をその根本原因から逸らす。さらに冒頭解散をしてごまかそうという姿勢は、国民を見下している証拠だ。「自分たちは、愚かなあなたとは違うんです」とでも言うつもりか。
国会論戦をきちんとおこなった上で、国民の信を問うべきだ。冒頭解散などは許されない。

08年7月23日 水曜日

M.ムーア監督の映画「シッコ(ビョーキ)」を観よう

01.JPGマイケル・ムーア監督は、「アホでマヌケなアメリカ白人」「華氏911」「シッコ」など、現代アメリカ社会の病理を問う映画を次々に発表している鬼才である。筆者は「シッコ」(アメリカの隠語で「ビョーキの人」)を映画館で観ただけではもの足りず、DVDも購入した。
この「シッコ」、予備知識があるとおもしろさが倍増する。アメリカでは救急車が有料であること、西側先進国では唯一国民皆保険ではないこと、そのために民間保険会社が大儲けしていることなどだ。
考えさせられるのは、 Continue Reading »

08年5月28日 水曜日

父母の会話~後期高齢者医療制度をめぐって

筆者の父は1930年生まれ、母は1933年生まれである。先日実家に帰ったとき、母が父に「私はまだ前期高齢者だけれど、あなたはもう後期高齢者よね」と言って笑っていた。もっとも母も、10月には後期高齢者の仲間入りをするが。。
父が怒っていたのは、医療制限や病院追い出しだけではなく、名称を「長寿高齢者」に変えたことだ。「政府は、名称さえ変えれば、中身を変えなくても、年寄りだからごまかせるとでも思っているのか」と。その父は、元自民党員である。
もう少し上の世代は、戦時中は「国のために死ね」と言われ、いまふたたび「国のために死ね」と言われているようなものだ、と怒っている。まさに列島騒然。福田内閣の支持率は、もはや目を覆わんばかりの急降下である。
日本共産党の小池晃参院議員が、

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08年3月6日 木曜日

「あたご」問題を考える

陸海空、3自衛隊を現す言葉がある。陸上自衛隊は「用意周到・頑迷固陋」、航空自衛隊は「勇猛果敢・支離滅裂」、海上自衛隊は「伝統墨守・唯我独尊」という。
海上自衛隊は、「旧帝国海軍の正当後継者」を自負している。そのことは自衛艦旗が旧軍艦旗と同じこと、観艦式には行進曲「軍艦」が演奏されることなどでも窺える。
自衛艦「あたご」が漁船と激突、沈没させた。88年の潜水艦「なだしお」事件を思い起こさせる。あのときも自衛隊は民間人を見捨てた。 Continue Reading »

07年11月27日 火曜日

沖縄戦の集団自決問題と国民の力。

筆者が物心付いたころにやっていたのがベトナム戦争。そして筆者が生まれる少し前に終結したのが、太平洋戦争である。だから筆者は、この二つの戦争には、大いなる関心がある。
太平洋戦争の戦記物は、研究者が書いたもの、士官学校・兵学校を卒業した用兵側が書いたもの、そして実際にたたかった下士官・兵出身者が書いたものに大別できる。概して下士官・兵の体験記が、戦争の実態を良く伝えているように思う。
沖縄戦をたたかって生き残った兵士や民間人の手記には、集団自決の件が必ずと言っていいほど出てくる。そこには赤裸々に、軍の関与が書かれている。南京大虐殺についてもそうだが、その存在を否定する人間が、現地で体験者や被害者にインタビューをした記録がないのは、どういうことだろう?
政府が沖縄戦の集団自決に対して、軍の関与を削除させたことに対し、沖縄で11万人が総決起した。この県民大会については、さすがに文部科学省も無視するわけにも行かないようだ。やはり国民の団結の力は偉大である。

07年8月1日 水曜日

参院選結果と安倍首相

「きみを幸せにするから」とプロポーズしたものの、「私はあなたのこと、嫌いだから」と言われた男性がいたとする。その男が「それでもぼくは、きみを幸せにすることが使命だ」とつきまとったらどうなるか。ストーカーとして、警察沙汰になってもやむを得まい。
「憲法改悪」だの「消費税をあげないとは言っていない」だの「年金問題は解決する」だの「私と小沢さんのどちらが首相にふさわしいか」だの、いろいろ言っていた安倍内閣に対し、参院選の結果は明確に「ノー」の審判を下した。マスコミの「二大政党キャンペーン」もあり、民主党の一人勝ちとなったが、少なくとも「安倍政権ノー」という国民の審判は確実。なのに安倍氏、「やめない」と開き直る。嫌われてもつきまとう男のようなものだ。
ストーカーなら取り締まり、規制することも可能だが、国民が選挙で「ノー」と言った政治姿勢を「私の使命だ」と独りよがりで決めつけて、今後も継続・強行しようとする安倍首相。こういう首相や与党に、つける薬はないものか。