日本国憲法
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私から見る憲法(『月刊 憲法運動』2月号より)
全国人権連代表委員 吉村駿一(弁護士)
https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2023/230216.html
性的少数者に対する差別発言に抗議し、速やかな同性婚法制化を求める会長声明
岸田文雄内閣総理大臣は、本年2月1日の第211回通常国会予算委員会において、同性婚に関する質問を受け「極めて慎重に検討すべきだ」と消極的な見解を述べるとともに「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と答弁した。
そして、報道によれば、内閣総理大臣前秘書官は、同月3日、記者団から総理大臣の前述の発言について質問され「(同性婚制度の導入について)社会が変わる。社会に与える影響が大きい」「秘書官室もみんな反対する」「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などと発言したとのことである。
前秘書官の当該発言は、多様な性的指向や性自認を認めず、性的少数者の尊厳を否定し社会から排除するに等しい差別発言であり、憲法13条及び14条並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)2条1項、17条及び26条により保障される性的少数者の権利を侵害するものであり、断じて許されない。行政府の長である内閣総理大臣の秘書官という立場からこのような差別発言が出る日本の現状は、極めて深刻である。
また、そもそも総理大臣による前述の答弁自体「性自認、性表現あるいは性的指向に関係なく、誰もが同じ機会を得て、差別や暴力から保護されることを確保することへの我々の完全なコミットメントを再確認する」とした2022年6月28日のG7エルマウ・サミット首脳コミュニケにも反し、性的少数者の権利についての政府の姿勢が厳しく問われていると言わざるを得ず、極めて遺憾である。
当連合会は、2019年7月18日付け「arrow_blue_1.gif同性の当事者による婚姻に関する意見書」を取りまとめ、法務大臣、内閣総理大臣、衆議院議長及び参議院議長に提出した。
憲法24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」するとしているが、これは婚姻が当事者の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきものを明らかにする趣旨であって、憲法制定時の想定や議論等に照らしても同性婚法制化を禁止するものではない。同性間の婚姻が認められていない現状は、性的指向が同性に向く人々の婚姻の自由を侵害し、法の下の平等に違反するものであり、憲法13条、14条に照らし重大な人権侵害と言うべきである。国は、当事者の性別に関わりなく同一の婚姻制度を利用しうるようにすべく速やかな同性婚の法制化を行うべきである。
当連合会は、前秘書官による性的少数者に対する差別発言に強く抗議するとともに、国に対し、速やかに、LGBT等の性的少数者に対する理解を深め差別を撤廃するための施策を進め、同性婚法制化を実現することを求める。
2023年(令和5年)2月16日
日本弁護士連合会
会長 小林 元治
2023月2月4日
岸田首相秘書官の差別発言報道に関する声明
https://lgbtetc.jp/news/2825/
一般社団法人 性的指向および性自認等により
困難を抱えている当事者等に対する法整備のための全国連合会(略称:LGBT法連合会)
代表理事・理事一同
(団体 URL:https://lgbtetc.jp/)
2023年2月3日、荒井勝喜首相秘書官は、性的マイノリティや同性婚に関連して「僕だって見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」と発言し、同性カップルの権利保障をめぐって「社会に与える影響が大きい。マイナスだ。秘書官室もみんな反対する」と発言したと報じられた。そして当該秘書官の更迭に関して報じられている。しかし、当該秘書以外の首相の「秘書官室全員」がそのような認識であるとすれば、極めて深刻な状況であり、G7議長国として国際的に日本の立場が問われる発言であると指摘せざるを得ない。当該秘書官が発言を撤回した今後も、秘書官室の全メンバーはもとより、首相の見解が問われて然るべきである。
嫌悪感を持つ人の多寡によって人権保障が揺らぐべきではないことは言うまでもないが、その上で、科研費に基づく無作為抽出の「性的マイノリティについての意識:2019(第2回)全国調査」報告会資料によれば、近所の人が「同性愛者」であった場合に「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」との回答は27.6%、「性別を変えた人」であった場合に「嫌だ」「どちらかといえば嫌だ」との回答は24.4%、いずれについても回答者の約7割以上が「嫌ではない」「どちらかと言えば嫌ではない」と答えており、2015年第1回調査と比べ、社会的な嫌悪感は急速に改善しつつある。秘書官の発言は、社会の多くの人が適切と考える認識とも大きく乖離するものであることを、改めて指摘する。また、こうした時代錯誤の認識こそが性的マイノリティの自死未遂率の高さや「異次元の少子化対策」や仕事と育児の両立等の諸課題に対して十分に対応できないことの原因であると指摘する。
今年は日本がG7サミットの議長国となる年であり、各国から性的マイノリティ当事者である要人や、関係スタッフも多く来日する。当事者を「見るのも嫌だ」との認識を首相の秘書官、秘書官室全員が持っているとすれば、G7各国からどのように見られるかは明白である。仮にそのように各国のサミット参加者を眼差しているとすれば、G7から放逐されても文句の言えない大きな国際問題であり、首相はもとより、他の秘書官室メンバーの認識を、改めて確認する必要があるのではないだろうか。
今回の発言のような認識を日本の政策意思決定層が持ってしまうのは、ひとえに社会における法規範の遅れに大きく起因していると考えることから、当会は改めて性的指向・性自認(SOGI)による差別禁止法の必要性を確信する。G7サミットに向けて、岸田首相は、2022エルマウ・サミットの首脳コミュニケで国際的に確約したことを実現するため、差別禁止法をこの国会で制定すべきである。
以上
ソマリア沖での商船を狙った海賊からの防衛を口実にした自衛隊の海外展開が大きな問題となっている。弁護士の内藤功さんは、4/25付けの平和新聞の1面で次のように述べています。「アメリカは、ソマリア沖の海賊問題をパキスタン・アフガニスタン・イラクなど、この地域一帯における『対テロ戦争』と位置づけいます。あの海域には中国やロシア、インドもそれぞれの思惑をもって軍艦を派遣しており、アフリカのエネルギー資源をにらんだ覇権のぶつかりあいという面も背景の一つにあると思います」。 Continue Reading »
『法翼』・航空自衛隊内部の研究論文で、「自衛隊裁判所の設置」構想が明らかになったとの「しんぶん赤旗」5/13記事(P14)を読んで着々と戦前回帰していると感じました。防衛庁が防衛省へ格上げされたのを契機に、どうやら本格的に自衛隊を軍隊にしてしまおうという動きが再加速しているようです。
政府は、長年「自衛隊」は「軍隊」ではない、自動小銃(サブマシンガン)も単なる「小火器」と武器ではないといい続けてきました。
それがどうやら今回の「自衛隊裁判所設置構想」にみられるように、自衛隊内では、
4月13日午後の衆議院本会議で、9条を始め基本的人権条項などの憲法改悪につながる「改憲手続き法案」が、与党単独で強行採決された。
5年以内の改憲を公言する安倍首相が連休前成立を強く求めていることに従い、慎重審議を求める国民世論を無視した暴挙である。 Continue Reading »
現在の日本国憲法について、これまで改憲勢力は大きく2つのことを述べている。
その1、「戦後60年も経過して時代にあわない(古くなった)」
その2、「戦争に勝ったアメリカの一方的な押し付け憲法だ」
この点に関して、これまで政党間でも様々なやり取りがあった。また学者・研究者などの間でも物議をかもし出している。
そのような中で、NHKの人気番組でもある「ETV特集」やNHK第1ラジオ放送などでも幾度か取り上げられている。