12年4月
月間記事のまとめ
月間記事のまとめ
人権委員会設置関連法案の閣議決定阻止を
民主党関係役員などへの要請をやりきろう
2012年4月4日 全国人権連
人権委員会設置関連法案の閣議決定を阻止するために
産経報道(注3)に寄れば(「人権救済機関設置法案、20日閣議決定で調整 民主保守系反発、阻止へ 2012.4.3 msn産経ニュース」)「法務省が今月20日の閣議決定を目指し関係機関と調整している」といいます。
内容は「産経新聞が入手した法案原案全文」とした解説では、昨年12月15日の「法案概要」と変わらないものといえます。今後の手続きでは「4月上旬に党の法務部門会議で法案が審議される」見通しです。
全国人権連直近の法制定阻止の取り組みは3月1日付けで、民主党関係者らに丹波議長名で「立法根拠そのものから国民的な検討と議論に附することを求め」る要請書を送付しました。
一方地方議会では、「拙速な人権救済機関の設置を目的とする法律の制定に反対する意見書」(注1)が採択されています(注2)。これは「日本会議」が請願したもので、紹介議員には自民党や公明党の議員がなり、賛成議員には共産党議員が含まれている所もあります。
(注1)
「拙速な人権救済機関の設置を目的とする法律の制定に反対する意見書」
現在、法務省は、新たな人権救済機関の設置等を規定した法案を、今通常国会に提出する意向を示している。
不当な差別や虐待などからの救済を目的に、新たな人権救済機関を設けるという同種の法案は過去にも提出されたが、人権侵害の定義が不明確であるなどの理由から成立には至らなかった経緯がある。
昨年8月に法務省政務三役名で公表された基本方針では、自由な報道活動を阻害する恐れのあるメディア規制を設けないなど、これまで批判の強かった条項が除外されている部分はあるが、新たな人権救済機関として人権委員会を設置し、国家行政組織法第3条第2項に基づく三条委員会とすること、人権擁護委員の資格要件、また、人権侵害の定義が不明確であることなど、議論を尽くすべき点が多数存在している。
よって、国においては、十分な国民的議論を経ないまま拙速に新たな人権救済機関の設置を目的とする法律を制定しないよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成24年3月26日
埼玉県議会議長 鈴木聖二
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣 内閣官房長官 様
(注2)県議会(新潟、熊本、群馬、岡山、徳島、神奈川、埼玉)
市議会(船橋市、越前市、徳島市、鳴門市、大和市、堺市)
こうした状況のもと、当面次の「要請文」をもとに取り組みます。
(注3)
人権救済機関設置法案、20日閣議決定で調整 民主保守系反発、阻止へ
2012.4.3 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120403/plc12040301100001-n1.htm
差別や虐待による人権侵害の是正を図るための人権救済機関「人権委員会」を法務省の外局として設置するための「人権救済機関設置法案」について、法務省が今月20日の閣議決定を目指し関係機関と調整していることが2日、分かった。同省は今国会での成立を目指すが、民主党保守系議員らは「人権侵害」の定義が曖昧で拡大解釈により憲法が保障する「言論・出版の自由」が侵害される恐れがあるうえ、消費税増税法案をめぐる党内の混乱に紛れて提出しようとしていると反発、閣議決定阻止に向けた動きを始めようとしている。
産経新聞が入手した法案原案全文によると、人権委は国家行政組織法3条に基づく独立性の高い「三条委員会」と位置づけた。人権救済にあたる人権委員は衆参両院の同意人事とし首相が任命する。
深刻な人権侵害がある事案については刑事告発できる強力な権限を与えた。当事者間の調停や仲裁を実施し、重大な人権侵害に勧告を行うことも盛り込んだ。
人権擁護委員については日本国籍の有無については明確に触れておらず、かりに永住外国人に地方参政権が付与されれば、外国人も就任できるようになる余地を残している。
民主党は、政務三役や「人権侵害救済機関検討プロジェクトチーム(PT)」で法案の策定作業を進めてきた。野田佳彦首相も昨年9月の内閣発足時、平岡秀夫法相(当時)に重要政策課題として「新たな人権救済機関の設置」を指示、法務省は昨年12月に法案の概要を発表した。
ただ、政府内には法案の閣議決定に消極的な意見が少なくない。民主党内の保守系議員も「消費税増税法案をめぐって党内が二分しているどさくさに紛れて法案を出そうとしている」と批判。4月上旬に党の法務部門会議で法案が審議されるとみて、党内手続きの阻止に向けて賛同者を呼びかけることにしている。
同法案をめぐっては、法務省が自民党政権時代に「人権擁護法案」を策定した。しかし、自民党内で反対論が出て、断念に追い込まれた経緯がある。