22年5月

22年5月20日 金曜日

三重県議会は「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」案を全会一致で可決

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毎日新聞 2022/5/20 
「差別解消」条例可決 紛争解決の仲裁、県の責務 県議会全会一致 2年議論 /三重

 県議会は19日、「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」案を全会一致で可決した。ヘイトスピーチやハラスメント行為など、あらゆる差別や人権問題の解消を目指す包括的な条例。県が差別や人権侵害の相談に応じ、差別を受けた被害者と相手側に介入して助言や反省を促す「説示」を行うなど、紛争解決の仲裁役を果たすことを県の責務として定めている。

 コロナ禍に端を発したSNS(ネット交流サービス)での中傷などを受けて、2020年5月、「差別解消を目指す条例検討調査特別委員会」を県議会に設置し、約2年にわたって議論を重ねてきた。

 条例では「あらゆる不当な差別をはじめとする人権侵害行為を許さない」と明記。県は差別や人権侵害を受けた被害者や家族、差別を目撃した第三者からの相談に応じ、双方への聞き取りなどの調査を行う。

 被害者側が県の相談への対応や調査に納得できない場合は、本人や家族、支援者などが知事に申し立てを行うことができるとした。知事は第三者機関である「差別解消調整委員会」の意見を聞いた上で、相手への助言や反省を促す「説示」、行政指導にあたる「勧告」を行うことが可能で、差別事案の概要は県のホームページなどで公表される。さらにネット上での人権侵害を監視するため、モニタリング活動も行う。県議会によると、差別事案で県が当事者間の仲裁役として介入できるようにした条例は全国初という。

「対話」を大切に
 しかし、民事訴訟や捜査対象となっている場合は申し立てはできず、差別や人権侵害行為への罰則や、行為者の公共施設の利用制限は盛り込まれていない。

 県議会「差別解消を目指す条例検討調査特別委員会」委員長の小島智子県議は「差別を受けた本人だけではなく、県として差別や人権侵害の解決に動くことが目的。出発点として『対話』を大切にしながら、教育や啓発につなげていきたい」と話した。また、差別解消に向けた包括的な条例は前例がないとしたうえで、今後について「より実効性を確保するため、個別的な課題への対応について引き続き議論を重ねていく必要がある」と述べた。

22年5月10日 火曜日

2022年参議院選挙における野党に対する市民連合の政策要望書(案)

2022年参議院選挙における野党に対する市民連合の政策要望書(案)/2022年4月28日、市民連合

市民連合は4月28日、拡大運営委員会をオンラインで開催し、「2022年参議院選挙における野党に対する市民連合の政策要望書(案)」を確認しました。市民連合はこの「政策要望書(案)」について、5月9日(月)に衆議院第2議員会館(多目的ホール)で開催します「参議院選挙勝利に向けた市民連合シンポジウム」で、討議を深めます。

2022年参議院選挙における野党に対する市民連合の政策要望書(案)

ロシアによるウクライナ侵略がもたらす世界秩序の激動の中で参議院選挙を戦うという未曾有の政治状況の中、戦後日本の針路が問われています。市民連合は、立憲主義の回復と安保法制の廃止を求め、立憲主義の理念を共有する野党各党と4回の国政選挙をたたかっています。今回も野党には、今こそ憲法が指し示す平和主義、立憲主義、民主主義を守り、育むために、以下の政策を共有し、1人区において最大限の協力を行うよう要望します。

1 平和国家路線の堅持と発展

日本国憲法が掲げる立憲主義、平和的生存権の理念に立脚し、戦争をさせないために専守防衛に基づく安全保障政策を着実に進め、非核三原則を堅持し、憲法9条の改悪、集団的自衛権の行使を許さない。辺野古新基地建設は中止する。さらに、ロシアによるウクライナ侵略に抗議する国際社会と連帯し、人間の安全保障の理念に基づき人道支援を進める。

2 暮らしと命を守るための政策の拡充

みんなの暮らしを守るために、スタグフレーションへの対策としてあらゆる財政支出を展開し、新型コロナウイルスの教訓を踏まえて医療政策の再建を行う。また、金融所得課税を始めとする税、社会保険料負担の適正化によって社会保障、社会福祉の拡充を進め、すべての生活者や労働者が性別、雇用形態、家庭環境にかかわらず、尊厳ある暮らしを送れるようにする。

3 気候変動対策の強化とエネルギー転換の推進

人びとの暮らしを脅かす異常気象の頻発にかんがみ、また将来世代や未来の人々、生きものに対する責任を果たすために、気候変動と環境保全の対策を加速し、国際社会による温暖化対策の強化に向けて働きかけを強める。また、経済や安全保障上のリスクを軽減する観点からも、原発にも化石燃料にも頼らないエネルギーへの転換を進め、脱炭素社会を早期に実現する。

4 平等と人権保障の徹底

政治の場、働く場、学ぶ場、生活の場において男女平等を実現し、伸びやかで活力のある社会や経済へと転換するために、選択的夫婦別姓制度などの法制度整備を急ぐ。また、女性に加えて、LGBTQ、外国人、障がい者などに対するあらゆる差別を廃絶し、すべての人の尊厳が守られ、すべての人が自らの意志によって学び、働き、生活を営めるように人権保障を徹底する。

2022年5月9日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

22年5月9日 月曜日

表現の自由を侵害する 侮辱罪の法定刑引き上げに反対

声明 : 表現の自由を侵害する 侮辱罪の法定刑引き上げに反対します
2022 年 5 月9日
共謀罪 NO !実行委員会
「秘密保護法廃止へ!実行委員会
https://www.kyobozaino.com/?msclkid=0105cf08cf3b11ecb999e9cd36050075

政府・法務省は、今国会に侮辱罪の法定刑を現在の「拘留(30日未満)か科料(1万円未満 ) 」から1年以下の懲役か禁固、30万円以下の罰金に引き上げる刑法「改正」案を提出しています。同法案は、4月22日に法務大臣の趣旨説明が法務委員会でをおこなわれ、審議入りしています。連休明けには委員会採決がおこなわれようとしています。
私たちは、侮辱罪の法定刑引き上げは、憲法の保障する表現の自由を侵害するものであり、次の理由により絶対に認めることはできません。

第一に、今回の刑法「改正」は、 SNS 、インターネット上における誹謗中傷で木村花さんが自殺に追い込まれるなどの事件の増加に対応するため、その被害を抑えることを目的としたはずですが、そうなっていません。必要な立法は、この間、急増する SNS 、インターネット上の誹謗中傷を対象としたものであり、単に、現行の侮辱罪の法定刑を引き上げれば対応できるという問題ではありません。
そもそも侮辱罪は侮辱の定義が曖昧であり、拡大解釈の恐れが多分にあります。政府案は SNS 、インターネット上における誹謗中傷対策というより、言論弾圧、表現の自由の規制に活用されかねません。これに対して立憲民主党の対案(通称、インターネット誹謗中傷対策法案 ) は 、 SNS 、 インターネット上における誹謗中傷の規制に焦点をあてています 。
同対案は、侮辱罪が規定されている刑法231条の次に「231条の2」として「加害目的誹謗等」を新設し 、 「人の内面における人格に対する加害の目的で、これを誹謗し、又は中傷した者は、拘留又は科料に処する」と、ネット空間における誹謗中傷を規制しようとしています。政府提出の侮辱罪法定刑引き上げは、立法事実に応えるものものではありません。

第二に、侮辱罪の法定刑引き上げは、憲法21条が保障する表現の自由に違反します。同条は「集会,結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する 。 」としています。表現の自由には、ほかの憲法の条文にある「公共の福祉」の名のもとの人権の制限規定はありません。つまりほかの権利より重要な権利とされています。それは、国家権力により、かつて言論、出版、結社などの表現の自由が奪われ、市民が戦争へと駆り出されていった苦い経験に基づくものです。
表現行為に市民の喜怒哀楽が込められるのは当然のことであり、政治家や官僚に侮辱的な言葉が投げつけられることはあります。表現の自由とは、そもそもそうした内容を含むものです。しかし、そうした意見、感情的な発言も、さまざま意見、論評などのなかで、もまれ、修正されることがあります。表現の自由は民主主義社会を維持・発展させるための基礎です。
現行の侮辱罪は「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する」というものですが、これは現行の侮辱罪が軽犯罪に位置付けられているためためです。したがって、基本的に逮捕・拘留はできません。しかし、法定刑が引き上げられれば、逮捕・拘留ができるようになります。たとえば、街頭で演説をしている政治家に対し 、 「お前なんか政治家にふさわしくないから政治家をやめろ!」というような批判を行ったとして、その発言が侮辱罪とされた場合、発言した者が逮捕されかねません。
これは、言論弾圧であり、表現の自由の規制です。それが、単なる危惧でないことは、2019年、北海道警察が、当時の安倍首相の札幌での演説に 、 「安倍やめろ!」と叫んだ市民を排除し、隔離した事件からも明らかです。表現の自由に対する規制は、最小限にとどめられなくてはなりません。欧米では侮辱罪より罪の重い名誉毀損罪について刑事ではなく民亊で対応しようという動きになっています。日本の侮辱罪の法定刑引き上げは国際的な流れに逆行するものです。

侮辱罪の法定刑引き上げは、表現の自由を保障する憲法 21 条に違反するものであり、断じて認めることはできません。言論弾圧・表現の自由の規制への道を開く、侮辱罪の法定刑引き上げに反対します。