2023年1月26日
総務省「誹謗中傷等の違法・有害情報に対するプラットフォーム事業者による対応の在り方について」に対する意見
一般社団法人日本新聞協会

日本新聞協会は、総務省「誹謗中傷等の違法・有害情報への対策に関するワーキンググループ」(WG)が今後の検討に向け示した「誹謗中傷等の違法・有害情報に対するプラットフォーム事業者による対応の在り方について」(本ペーパー)に対して下記の意見を述べる。
WG の上部組織である「プラットフォームサービスに関する研究会」ではプラットフォーム事業者の透明性・アカウンタビリティー(説明責任)の確保が不十分とされ、「行政からの一定の関与」について検討が行われることとなった。SNS 等のプラットフォームサービスで誹謗中傷等が蔓延し、拡散されて深刻な被害が発生していることについて、早急な改善が必要であることは論をまたない。一方で、法的規制の導入は表現の自由を脅かし、正当な言論活動を委縮させかねず、引き続き慎重な検討が必要だ。
本ペーパーが論点に挙げる削除請求権を明文化すれば、安易な削除を認める風潮を助長しかねず、表現の自由や国民の知る権利に悪影響を及ぼす懸念があり、これを明確に解消するものでない限り同意できない。削除請求権の明文化といった議論を惹起させる状況を招いたプラットフォーム事業者の責任は重い。
正当な批判・批評と誹謗中傷の線引きはあいまいだ。一律の判断は難しく、個別の事案に真摯に向き合い責任を持って判断することが情報流通を担うプラットフォーム事業者の公共的な役割だと考える。本ペーパーがプラットフォーム事業者の自主的な取り組みの重要性を強調していることについて同意する。プラットフォーム事業者には情報流通を担う責任を自覚し、健全な情報空間に向け真摯で主体的な対応を求めたい。
以下、個別の論点に対する当協会の考えを述べる。

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20230126.pdf