参議院選挙の結果について(談話)
         2019年7月25日 
   全国地域人権運動総連合事務局長 新井直樹

 7月21日投開票の参議院選は、自公の与党が改選77議席から自民が9議席減らし71議席となった。定数245の参院で非改選と合わせ141議席と、過半数を維持した。
 自民党は公約で憲法改正を掲げた。「憲法改正原案の国会提案・発議をし、国民投票を実施し、早期の憲法改正を目指す」とした。自公維新の改憲勢力は、公示前勢力160議席(237議席の3分の2以上、欠員5)から157議席(245議席の3分の2未満)に後退し、3分の2の164議席に届かなかった。このことの意義はいくら強調してもし過ぎることはない。それでも安倍首相は選挙直後の記者会見で他党派の改憲勢力を取り込んで3分の2確保を目指すと言明した。
 この意味は、比例で自公与党あわせて450万票余りの大量票を喪失に追い込んだことと、1人区で野党統一候補が10選挙区で勝利したことが、改憲勢力3分の2を阻止する上で大きな役割を果たしたと言える。
 しかし民主主義の問題としては、全国の投票率が48.8%と50%を切り、戦後2番目の低投票率に落ち込んだことである。前回2016年参院選の投票率54.7%を約6ポイントも下回り、有権者の過半数が投票に行かなかった。今回は北陸、中国、四国、九州、沖縄の各地方でも軒並み戦後最低に落ち込んだ。国民の政治離れ、政治不信の拡大は、もはや全国共通の社会現象となりつつある。
 背景には、安倍首相の「ウソをつく政治」、都合の悪いことには全て蓋をする安倍首相の究極のご都合主義に多くの国民は心底から嫌気がさしているのである。さらにメディアの「忖度」により選挙の論点争点が多くの国民の目に止まらなかった。現状維持となる「静かすぎる」事態は多様なメディアを駆使して変えるとともに、自由な選挙制度にすることが民主主義であり、国民の政治的関心を高めることが課題である。
 全国人権連は、安倍政治を終わらせ、憲法が活きた希望ある政治へ、「市民と野党の共闘」の力を発揮し、参議院選挙で必ず勝利しようのスローガンのもと、各地で奮闘した。
 憲法改正を訴えた安倍首相の路線が否定されたことは、日本の立憲主義と民主主義について危機感を燃やした「市民と野党」の頑張りの賜物である。
「市民と野党」は、安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復を原点にすえ、▽憲法改定・発議阻止▽沖縄辺野古の新基地建設中止▽福島第1原発事故の検証がないままなどの原発再稼働を許さない▽10月からの消費税10%増税反対―という国政の根幹部分で共通の旗を打ち立てた。これを受けて各選挙区では地域の実情に応じた豊かな協定を結んだ。
 この政治的課題ならびに、「地域人権憲章」の実現にむけて、今後とも奮闘するものである。