生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付に係る 迅速な貸付の実施について(依頼)
事務連絡
令和2年4月14日
各都道府県民生主管部局長 殿
全国社会福祉協議会会長 殿
厚生労働省社会・援護局地域福祉課
生活困窮者自立支援室長
生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金等の特例貸付に係る
迅速な貸付の実施について(依頼)
緊急小口資金等の特例貸付の実施については、3月25日に全国的に受付を開始して以降、相談窓口の体制強化に取り組みつつ、相談に対応していただいておりますことに厚く御礼申し上げます。
受付開始からこれまでの間、一部で相談の予約が数週間先となる社会福祉協議会があると承知しておりますが、新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえれば、その影響を受け、収入の減少等により一時的又は生活再建までの間に必要な生活費用が必要な方に対して、必要な額を迅速に貸し付けることが一層重要になっています。
現下の状況においては、特に、緊急小口資金貸付に関しては、災害時における被災地における特例貸付と同様に貸付を必要とする方に対し、早期に送金を実現することが重要であるとする観点に立ち、下記の運用改善等を進めていただきますようお願いします。
なお、大型連休の前には、特に貸付の申込が増加することが見込まれることから、下記の対応を早期に進めることで、大型連休の前に必要な貸付が行われるよう、対応をお願いします。
各都道府県におかれては、都道府県社会福祉協議会及び管内市町村に周知いただくよう、よろしくお願いいたします。また、全国社会福祉協議会においては、都道府県社会福祉協議会・市区町村社会福祉協議会に周知いただくよう、よろしくお願いします。
記
1 郵送による申込の促進
貸付申込者が増加していることや、受付窓口の感染拡大のリスクが拡大していることを踏まえ、緊急小口資金については、郵送により申込を行うことができる環境を整え、次の取組みを進めていただきたい。
① 都道府県社協や市区町村社協のホームページに申込書や、その記載例、必要添付書類等の説明を掲載し、貸付を必要とする方が、必ずしも相談を経ずとも、自身で様式をダウンロードし、貸付希望者が申込書の記入や添付書類をそろえ、市区町村社協に郵送する方法。
② インターネットへのアクセス環境がない方もいらっしゃることから、①の方法に加えて、市区町村社協において、電話等で受付し、貸付申込を希望する者に、申込書や記載例、必要添付書類の説明書等を郵送し、申込書や関係書類を郵送していただく方法。
郵送による申込を推進する観点から、電話で問い合わせを受けた場合には、次の対応を行っていただきたい。
・ 必要書類等を案内し、ホームページ上に掲載された様式のダウンロードを促す。
・ 記載方法や添付書類に不明な点がある場合には、電話で助言を行う点を伝える。
・ 原則、郵送での申込であることに理解を求め、送金までに要する期間を説明する。
・ 電話でのやりとりの中で特に切迫した状態にある方は窓口への来所を促す。
なお、郵送による申込の推進に当たっては、以下の点にご留意いただきたい。
・ 電話回線の増設や携帯電話の活用など、電話がつながりやすい環境整備を行っていただきたいこと。
・ 郵送によらず、即日、申込を行うことを希望する方については、直接社会福祉協議会へ提出することとして対応していただきたいこと。
・ 申込を行う方には、郵送による申込は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点からも有用である点についてご理解いただき、協力を促すこと。
・ 当座の生活費に特に急を要する場合は、住民票等の添付書類が整わない段階でも、窓口への来所を促し、住民票等は、来所した時の後日でも良いことを説明すること。
2 申込書の記載や添付書類に一部不備が見られるケースへの対応
記1による郵送による申込等においては、申込書の記載や添付書類に一部不備が見られるケースが増える場合が想定される。
この場合、貸付を必要とする方に対して早期に送金を実現することが重要であるとする観点に立ち、送金に向けた事務を進めつつ、並行して申込書の修正や添付書類の提出指示等の対応を行っていただきたい。
3 予約による相談受付の見直し
電話等による事前予約による相談受付は、不要の待ち時間を作らないことや、相談者同士の接触機会を減らし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止する観点から有効である一方、相談希望者が予約の枠数を超える場合、相談予約が数日・数週間先となってしまうなどの弊害を生じることとなる。
このため、相談を希望する方が、実際に相談を行うまでに一定の期間を要する事態が発生している場合は、1の郵送による申込の実施、相談に応じる人員体制の強化、予約制自体の見直し等を行っていただきたい。
なお、1の郵送による申込の推進に当たり、既に予約制により予約を受け付けている方については、予約日が数日後、数週間後になってしまっている方もいることから、電話をかけて、郵送による申込みへの切り替えを積極的にお願いする。
4 厚生労働省の個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンターの活用
厚生労働省では、4月11日より、「個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター」を開設し、特例貸付に関するお問合せを受け付けているので、特例貸付にかかる基本的な問い合わせ等については、本コールセンターを利用していただくよう、各市区町村社会福祉協議会のホームページ等を通じて周知を行うなど、各市区町村社会福祉協議会の相談窓口が、個別の相談・申込等の対応に専念できるよう、対応をお願いする。
「個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター」
0120ー46-1999
受付時間:9:00~21:00(土日・祝日含む)
5 都道府県又は市区町村職員による臨時的応援の実施
(1)都道府県社会福祉協議会への応援
都道府県社会福祉協議会では、受付窓口から送付されてきた貸付申請書を他県での重複貸付又は同一世帯での複数貸付のチェックを主に行う「生活福祉資金業務システム」への入力及び同システムを通じた貸付決定後に実施する申請者の口座への送金手続きの業務が多忙を極めており、臨時職員の確保など自助努力を行ってもなお、処理能力を上回っている場合もあることから、都道府県職員による都道府県社会福祉協議会への緊急避難的な応援について検討をお願いする。
(2) 市区町村社会福祉協議会への応援
市区町村社会福祉協議会では、今回の特例措置により対象者が大幅に増加することとなったこと及び新型コロナウイルスによる感染予防の観点からも、極力、接触頻度を下げることが望ましいことからも郵送等による手法へ転換した場合には、提出された資料のチェックの確認業務の増大が予想されることから、市区町村職員による市区町村社会福祉協議会への緊急避難的な応援について検討をお願いする。
以上