【談話】「貧困と格差、不平等」を拡大する安倍改造内閣の発足にあたって
2007年8月29日
全国地域人権運動総連合事務局長 新井直樹
1.8月27日、安倍改造内閣が発足した。
参議院選挙での自公大敗は、「構造改革」による「貧困と不平等」の拡大や平和と民主主義を脅かす安倍政権を拒否した結果であり、安倍内閣の退陣か大幅な政策変更を迫るものであった。
しかし、安倍首相は「美しい国」の「基本政策は支持されている」と開き直り、政権に固執し、自民党幹事長や外務、防衛などのポストには、安倍路線である靖国・改憲タカ派の閣僚経験者らを起用し、一方では首相とは異なる意見の議員や前知事を任命することで国民の目を眩まし、そのことで政権の浮揚を狙った。
2,共同通信の世論調査では内閣支持率は参議院選直後に比べ11・5ポイント上昇し40・5%になった。支持の理由は「ほかに適当な人がいない」が34・3%と最多である。政党支持率は自民党が38・8%と7月末よりも7・3ポイント上がったのに対し、民主党は25・6%と12ポイントも下がった。首相の進退については「辞めるべきだ」が参議院選挙後より1・8ポイント増加の51・3%。内閣が最も優先して取り組むべき課題では「年金などの社会保障」が38・1%にのぼり、「憲法改正」は3・0%でしかない。政権の枠組みでは「自民党が中心」が44・2%で「民主党中心」の41・7%を抑えた。衆議院の解散時期としては30%が「年内」、28・7%は「来年前半までに」と早期の解散・総選挙の実施を求めている。
3.多くの国民は、グローバル化した大企業の成長戦略にたち自由競争主義を貫く「構造改革」や、「靖国・改憲タカ派」による「9条改憲」を支持せず、早期の解散総選挙を求めている。
全国人権連は、「貧困と格差・不平等」是正のために、とりわけ社会保障の充実をかかげ秋の政府交渉を成功させるとともに、国民の言論表現を規制し「人権救済」に値しない「人権擁護法案」上程の阻止をはじめ、会員や住民の切実な要求を真正面に掲げて、参議院選で示された民意に沿った政治の実現をめざすものである。 以上