米兵女子中学生暴行事件に関する全国人権連の抗議声明 

 全国地域人権運動総連合(略称・全国人権連)は、米海兵隊員による「女子中学生暴行事件」について、人間の尊厳を冒涜する極めて悪質な犯罪であるととらえ、アメリカ合衆国ブッシュ大統領並びに在日米軍に断固抗議する。同時に、日本政府に対し、米軍再編など基地恒久化政策の破棄、米軍基地の縮小・撤去こそが真の再発防止策であり、日米地位協定の抜本的見直しと、根本的解決のために日米安保条約の破棄を求める。 2月10日夜、沖縄本島中部で中3女子生徒を暴行したとして沖縄署は11日、女性暴行容疑で在沖縄米軍海兵隊2等軍曹 (38歳)を逮捕、12日午後送検した。 沖縄では、これまでも米軍基地がらみの同様の女性暴行事件や殺人・傷害といった凶悪事件が多発している。なかでも1995年9月の米兵3人による女子小学生拉致暴行事件では怒りの反基地世論が高まり、大規模な県民集会や抗議行動が連日行われ、基地問題の「見直し」世論が集中した。一方広島市では昨年10月、岩国基地の海兵隊員が暴行事件を起こすなど、ことは沖縄だけの問題ではない。米兵の犯罪は、戦後60年以上経過しているにもかかわらず日米安保条約(軍事同盟)によって、日本国内にアメリカ本国に匹敵する規模の米軍が駐留し治外法権化していることに由来する。これまでも米兵がらみの事件で犯人が判明しても日米地位協定があるために日本の国内法で裁けずアメリカ本国への身柄の強制送還で事件はうやむやになっている。日本政府は、こうした米軍駐留による国家主権や基本的人権が侵害されているにも係わらず、日米地位協定を見直すことに反対の態度を崩そうとしない。いまや日本国内の米軍基地は「日本防衛」と無関係に、アメリカの先制攻撃戦争の足場となっている。イラク戦争でも沖縄は出撃基地にされている。普天間基地(宜野湾市)の大型輸送ヘリが2004年に、住宅密集地に隣接する沖縄国際大学に墜落した事故もイラク派遣に備えた訓練中の出来事であった。沖縄県民は「日本防衛」と関係ない米軍に県民が犠牲になるいわれはないという声を挙げているが、政府は、正面からこの声を受け止めるべきである。アメリカ国内では、政府批判を抑えるためにベトナム戦争以後、特に現在のブッシュ政権となってからメディア規制がその激しさを増し自由な報道が抑圧されている。日本国内でも「共謀罪」や「人権擁護法案」などメディア規制を含めた人権抑圧の法案が繰り返し国会上程策動となって表れており、権力は国民が真実を知ることや反対運動の拡がりを恐れているのである。もっとも根本には、アメリカでは新自由主義による「構造改革」が「貧困と格差」を極限まで拡大し、最貧困層を軍隊機能維持にリンクさせている事態があり、同時にそのことは、日本の「構造改革」の明日でもある。 いまこそ米軍駐留、基地の縮小・撤去へと、政治を動かす国民の出番である。2008年2月14日全国地域人権運動総連合議長 丹波正史