自衛隊のイージス艦による漁船との衝突事故について、まず最初に被害者の一刻も早い発見と徹底した原因究明を求めたい。
海上保安庁の調べで自衛艦の見張りの交代前(12分前)に漁船に気付いていたが相手がかわすだろうという意識から11分間何も手を打たなかったという。何も手を打たなかったこと自体海上航行上問題だが、漁船のレーダーでさえ30分前に確認できたのに、一隻1400億円もする最新鋭のイージス艦のレーダーが12分前になってやっと確認できたというのは誰も納得しない発言だろう。今回の「衝突事故」は、自衛艦側が単に安全を怠ったためといより、明らかな驕り意識から、「そこのけ」風に航行したために起きた必然性のきわめて高い「当て逃げ」「ひき逃げ」行為そのものであり、以前の潜水艦の漁船当て逃げ見殺し事件と同様に、自衛隊が国民の安心安全のために設置されたものでないことがまたもや明らかになった感がする。米軍・自衛隊とも依然として教訓は何一つ活かされてない。
この間、沖縄での米兵の女子中学生暴行事件や飲酒運転、住居不法侵入とあわせて、防衛庁事務方トップの汚職事件や今回の自衛艦の当て逃げ事件、彼らが守ろうとしているものについてよく考えてみる必要があるだろう。政府も民間もあまりにも偽装や情報の隠蔽が多すぎるのではないか。事件・事故にあわれた被害者の人権保障の観点からも情報開示を積極的に行うべきである。それなくして再発防止はありえない。