米兵や自衛隊が関与した相次ぐ事件や事故、ガソリン税暫定税率問題も含めたまたも国民の生命と暮らしを見向きもしない予算案に対する攻防が国会で続いているなか、4月からいよいよ「後期高齢者医療制度」がはじまります。
今回、この問題について、「全解連時代からの共感者」さんから具体的なご質問がありましたので、そのお答えをしたいと思います。似たような問題を抱えてらっしゃる方もいるだろうと思い今回このブログで取り上げました。
★ご質問内容(全文) 全国人権連や岡山県人権連のホームページにて、この4月より開始されてしまう、「後期高齢者医療制度」について話題にされている記事がありますが、親類に、この制度の対象となる80歳代の者がおり、この親類は現在、事情もあり、自身の娘を「扶養家族」(被扶養者)として、国民健康保険に加入しております。しかし、「後期高齢者医療制度」が開始された場合、(1) 現在、「扶養家族」である娘は、4月以降は、「本人」(被保険者)として、新たに、国民健康保険に加入しなければならないのか?また、「本人」として、国保に加入し直さなくてはならない場合は、新たに手続きが必要か?(2) 自分自身(80歳代の親類)が、4月より、「後期高齢者医療保険」の被保険者に切り替わる際には、何らかの手続きをしなくてはならないのか?以上の2点を、この親類は気にかけているようで、また、私自身も、ふと疑問に思った面もありまして、よろしければ、ご教示お願いできませんでしょうか。

★お答えします★

(1)のご質問に関しては、前提条件(国民健康保険加入なのか、社会保険への加入なのか)によって答えが変わります。
■国民健康保険(国保)加入の場合
80歳代の方は、4月から「後期高齢者医療制度」への加入となり、国民健康保険制度から強制的にはずされます。国保へ加入されている場合、娘さんは、そのまま国保への加入となります。

■社会保険加入の場合
①80歳代の方が現在、会社勤めで社会保険制度へご加入していて、娘さんを扶養家族(被扶養者)としている場合、ご本人は4月から「後期高齢者医療制度」へ強制加入となり、娘さんも社会保険制度からはずされることになります。
②また、反対に娘さんの社会保険に扶養されている方が75歳以上である場合、75歳以上の方は社会保険から強制的にはずされます。(子どもさんの扶養で社会保険に加入していて75歳以上の親御さん等の場合、4月から後期高齢者医療制度へ強制加入手続きが行われます。その場合、向こう6ヶ月間の保険料の徴収が凍結され、その後1年間は本来算定されている保険料の2分の1の保険料となります。1年半後から保険料の普通徴収が始まります)

(2)のご質問について4月実施の「後期高齢者医療制度」は、強制加入制度であり、こちらから何らかの切り替え手続きをする必要はありません。お住まいを所管する地域の広域連合・市町村役場内で勝手に手続きが行われます。(一部例外を除いてほぼ県毎に「広域連合」なるものができています)
■ただし、(1)とも関連しますが、もしもご相談者が何らかの障害をお持ちで65歳以上の場合、後期高齢者医療制度への加入対象となります。障害をもたれている方の場合、現在の制度と後期高齢者医療制度の2つのどちらか一方を選択することになります。障害の程度や医療費の関係で判断が分かれますので、お近くの信頼がおける病院のケースワーカーとよくご相談された上、どちらに加入されるか慎重に考えられることをお勧めします。

※ご質問に関するお答えは以上ですが、私たち全国人権連はこの医療制度には反対しています。理由は前回も書きましたが、健康保険証取り上げで資格証明書乱発を招く恐れが非常に高いからです。