後期高齢を長寿と呼びかえても中身は同じ
福田首相は14日午前、視察先の国立成育医療センターで、記者団の質問に答える形で、21世紀の姥捨て山政策である75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」について、「保険証がまだ本人に届いていない不手際がある。説明不足で混乱をしている。十分説明し、いささかの不安も与えないようにしなければいけないのに、そういうことをしていなかったのは本当にまずかったと反省している」と述べた上で、「これから一生懸命説明し、理解していただく。総合的に考え、こういう制度が一番いい」と強調。
福田首相は、この間、この制度の呼び名が「後期高齢」とあるから国民に誤解を与えかねないので「長寿」とでもしたらと安易な発言をしていたが、マスコミ各社の記事内容を読んでいると、いつの間にか《「後期高齢者医療制度」(長寿医療制度)》という標記になっているのをみて、なんだかマスコミの報道もどこを向いて何を視点に書いているか気になるところだ。
ともあれ、先の福田首相の発言にある「総合的に考え、こういう制度が一番いい」といのはなんとも国民生活の中身・現実を知らない発言だ。私たち国民は「呼び名」も中身のひどさもけして誤解してはいない。
現行制度は経過措置期間はあるものの75歳以上の人は社会保険・国民健康保険から強制的に分離され、月額6000円の保険料というから年間72000円を年金から天引きする仕組み。これが7年後には年間13000円アップの85000円となる。国民年金の多くは年間40~50万円程度。もちろん介護保険料も天引きされているんですよ。合計すると貰える年金はいくらになるのと言いたい。この現実のどこが誤解なの。