現在の日本国憲法について、これまで改憲勢力は大きく2つのことを述べている。
その1、「戦後60年も経過して時代にあわない(古くなった)」
その2、「戦争に勝ったアメリカの一方的な押し付け憲法だ」
この点に関して、これまで政党間でも様々なやり取りがあった。また学者・研究者などの間でも物議をかもし出している。
そのような中で、NHKの人気番組でもある「ETV特集」やNHK第1ラジオ放送などでも幾度か取り上げられている。

押し付け論に関して、新たな事実に注目が集まっている。中でも注目されているのが1945(昭和20)年当時、政府やGHQ(アメリカ民生局)の憲法草案以外にも在野の学者やジャーナリストが党派を超えて集まった「憲法研究会」の存在である。1945年12月にこの研究会から「憲法草案要綱」が発表された。
結論を言うと、当時の日本政府が提出した憲法草案は明治憲法を少しいじっただけの内容(主権は天皇に存し、不戦・基本的人権・議会制民主主義などについてもきちんとした明記がなかった)であったためGHQは1週間で現在の憲法を策定したとされている。GHQが1週間で独自に憲法草案をまとめることができたのは、実は民間の「憲法研究会」が出した「憲法草案要綱」を下敷きにしたのではないかというものである。
憲法研究会の中心メンバーだった鈴木安蔵氏は後に静岡大学教授として憲法について独自の研究を深めていった。
現在、この内容を扱ったドキュメンタリー映画の試写会が全国各地で開催されている。一度はぜひ見たい作品である。