昨日、「足利事件」関連で担当弁護士とともに地検を訪問した菅家さんに対して、地検最高責任者がはじめて公式に謝罪したとテレビで紹介されていた。その際、被告・弁護側が申し立てていた警察・検察での証拠調べの際、録音されていた「録音テープ」16本のコピーが「第3者に公開しない」条件付で手渡された。弁護側は、これからはじまる「やり直し裁判」へ証拠として提出し裁判の場で公開することを裁判所に対して要請するという。

さて、警察・検察は様々な事件に関してビデオや録音テープ(今はボイスレコーダーか)を保持している。普通、それは証拠としてはなじまないといわれているが、大きな影響を及ぼすことにかわりはない。

社会保険事務所職員である堀越さんが休日を利用して日本共産党のチラシを配布したことが国家公務員法違反だとして公安警察に逮捕され、東京で係争中の「国公法弾圧堀越事件」で東京高裁・中山隆夫裁判長は、9月16日の公判後の進行協議(被告・原告代理人である弁護士と検察、裁判所が行う次回公判の進め方)において、一定の条件を付した上で「報告書等証拠について弁護側に開示するよう」検察官に勧告したという。検察官もこれに応じて公安警察によって盗撮されたビデオテープが22本分開示されることになりました。(盗撮ビデオは総数33本)

足利事件や堀越事件を支援している日本国民救援会や弁護士も一様に「重要な前進である」と裁判所や検察のビデオや録音テープなどの開示を評価しています。密室での自白強要や恫喝のあり方がいま世の中に問われようとしています。勿論、今回の開示請求の背景に裁判員裁判がはじまったことの影響や、全国各地から3400枚を超える開示を求める要請葉書が裁判所や検察に届けられたことも、裁判所や検察を動かす大きな力になったことでしょう。

ちなみに堀越事件で一審の東京地裁は、ごく当たり前の判断として公安警察の「盗撮」は一部違法という見解を示しています。ともあれ、証拠としてのビデオや録音テープの開示は歓迎されるものです。