住民の命と暮らし、安全・安心を確保する地域・自治体を
ーいっせい地方選挙の告示にあたってー
2011年3月24日
全国地域人権運動総連合
事務局長 新井 直樹
本日いっせい地方選挙の前半戦として、東京都知事選挙をはじめ12の都道県知事選挙が告示された。また、27日には政令市長、4月1日には道府県議会・政令市議会選挙が告示され、さらに4月17日には後半戦の市区長・議員、19日には町村長・議員選挙が告示される。岩手・宮城・福島の各県で70の選挙は延期されたが、4月10日、24日の投開票日に向け闘いが始まった。
この選挙は「異常な大企業中心の政治のゆがみを正し、国民の生活と権利を守る、ルールある経済社会への転換」「アメリカいいなり、日米軍事同盟絶対という外交から抜け出し、沖縄の基地問題の解決」に向けた新しい政治の流れを地方から作り出す政治戦である。
同時にこの選挙は、3月11日に発生した東日本大震災と福島原発事故による被害が、被災地はもちろん全国的に広がるさなかに行われる。2万5千人を超える死者・行方不明者、広範囲にわたる地域・生活基盤の破壊という重大な事態のもとで、今もなお避難生活を続ける25万人以上の住民の生命を守り、暮らしを立て直すとともに、破壊された地域を復興する道筋を、国民的なエネルギーで作り出し、住民が安心して住み、働きつづけることのできる地域・自治体をめざす選挙となる。
全国人権連は、東日本大震災が発生した直後から災害対策本部を立ち上げ、全国に被災者・被災地支援カンパの取り組みや、必要な支援物資の拠出などを提起した。この選挙期間を通じても、全国でさらに広げていくことを改めて呼びかける。
この大震災による莫大な被害は、大規模な地震と津波という自然災害を原因とするものであるとともに、こうした予想されるべき自然災害に対して、コストを最優先し十分な備えと対策を講じてこなかった政治のあり方こそが問われている。とりわけ福島原発の事故の現状は、最悪の人災と言わざるを得ず、当面する国民の安全を守る責任とともに、エネルギー政策そのものの見直しも課題となる。
また、「際限のない公務の民間委託」「市町村合併」「社会保障改悪」「地方分権-地域主権改革」という、自公政治や民主党政治を通じてこの間進められてきた新自由主義的構造改革が、被災者の支援と地域の復興に大きな影を落としている。
今後二度とこうした悲惨な状況を、日本のどこでも招かないためにも、構造改革の政治を改め、住民の命と暮らし、安全・安心を確保する地域・自治体を作り上げることが急務となっている。
いっせい地方選挙の今日的で重大な意義を改めて確認し、全国の力を結集してたたかい抜くことを呼びかける。