【談話】改憲手続き法案採決強行を厳しく糾弾する
4月13日午後の衆議院本会議で、9条を始め基本的人権条項などの憲法改悪につながる「改憲手続き法案」が、与党単独で強行採決された。
5年以内の改憲を公言する安倍首相が連休前成立を強く求めていることに従い、慎重審議を求める国民世論を無視した暴挙である。衆議院憲法調査特別委員会では、この間2回にわたる中央・地方公聴会が開催され、与党推薦の公述人を含めてほとんどが慎重審議を求めていた。また、マスコミの世論調査で、今国会での「法」成立をのぞむのは1割にも満たず、多くが、審議がつくされていないと回答している。これらの民意をかえりみることなく、昨年秋の教育基本法改悪の半分にも満たない異例の短時間審議で、強行採決に及んだ与党の姿勢は、憲法を遵守すべき立場にある国民の代表者とは無縁のものである。
全労連なども指摘しているように、改憲勢力が、このような民意無視の姿勢をとるのは、自民党の「新憲法草案」が明瞭に示している憲法9条改悪の意図が国民に見抜かれることを恐れ、広がりをみせている「憲法・9条守れ」の国民世論と運動におびえているからにほかならない。
国民の自由な言論活動を規制し、国民多数の民意を反映することも考慮しない「改憲手続き法案」。立ち枯れに追い込む条件は日々高まっており、たたかいはこれからが正念場である。
全国人権連は、日本国憲法を守り生かすためたたかっている国民諸階層と共同・連帯し、「改憲手続き法案」を廃案においこむため、統一地方選挙後半選や参議院選挙にむけた取り組みとも結び、全力をあげて奮闘する。
2007年4月14日
全国地域人権運動総連合(全国人権連)
事務局長 新井 直樹