11年3月

11年3月14日 月曜日

巨大地震、広がれ支援の輪

尊い生命を失った方々のご冥福をお祈りしますとと同時に、被災した方々には心からお見舞いを申し上げます。

11日に起きた未曾有の巨大地震。そして大津波の被害。時間の経過とともに少しずつ被害の大きさがニュースで伝えられています。3日経過したもののいまだに余震も続き、土地の陥没などで遺体の収容も安否確認も進まない中で、津波から発生した火災も消火活動がとれないといいます。被災地では、食料品も生活物資も医薬品も何もかも不足している模様です。

オニギリやパン、炊き出しも行われているものの、避難場所すべてにいきわたらず、さらに相次ぐ原発の放射能もれの情報に避難した人々も大きな不安に襲われています。

全国各地から様々な支援物資が現地に向かっている。そうした中で、全国人権連でも関東以北の各県連に全体状況や安否を問い合わせているものの、なかなか集約が進まないのが現状です。建物の倒壊や津波での被災は免れたところでも、市内のスーパーで食料品が手に入らないといいます。また、ガソリンも入手困難な状況、ガソリンは緊急車両用となっているようです。

これから70%の確立で3日以内に起きると予測されているマグニチュード7クラスの余震。現地で、46万人以上が避難所で眠れぬ夜を過ごし、食料も充分にないなかで、家族や友人知人、近所の人たちの安否を気遣い、救援の手を待っていると伝えられています。

全国人権連でも義援金の受付や現地支援など、体制が整うなかで進めていきたいと考えています。

11年3月2日 水曜日

受診遅れで71人が死亡、背景に受診抑制と無保険

昨年、24都道府県で71人が受診遅れで死亡していたことが判明。これは、全日本民主医療機関連合会(民医蓮)の調査でわかった数字で、公民で設置されている診療所などを含むすべての医療機関で調べた場合、もっと大変な状態にあるのではないかと思われる。調査は、民医蓮加盟の1767施設で行われた。受診遅れで亡くなった人たちは年々増加している。

受診遅れの背景には、以前から指摘されている国民健康保険料(国保)滞納による「無保険」や保険証はもっていても医療費の自己負担分を支払うことができなかったり、医療機関の窓口で全額支払いが求められる国保の資格証明書だったり、短期保険証だったりと、様々。この中には、様々な事情から路上生活を余儀なくされている人々も含まれる。

政治の失政と大企業の労働者いじめが、非正規労働を大量に生み出し、失業者を激増させた。その結果、人々は「物を買わない」と「物を買えない」、「様々なものに投資できない」状態に陥り、一部の人々を除いて全体的に景気減速となった。当然、税収も減少し、国・県・自治体の財政当局などは、裁判所の差し押さえ令状などを含む、あの手、この手で、取り立てををはじめている。ちょっとした自治体では、保険料に絡む差し押さえだけで、年間1億~3億となっている。

自治体の担当者がいうように、税金や保険料を意図的に滞納し高級車や遊興費に回している悪質な滞納者がいることも事実だろう。だがそれは全体ではない。今回、判明した71人の受診遅れは、「払いたくても、払えない」といった経済的困窮者だったのだ。

民医蓮は、もはや「日本が世界に誇る国民皆保険制度は崩壊している」と指摘。国の施策のあり方の根底に「国民の生命、財産の保全」を謳った「日本国憲法」の精神が、いま生きているのかが厳しく問われているのではないか。

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