長野県東御市「市内同和地区出身者」と明示する「人権と暮らしについての生活実態調査」に反対する
東御市日本共産党市議会議員 平林千秋

「人権と暮らしについての意識調査」「生活実態調査について」の(素案)を東御市議会3月定例会の社会文教委員会に人権同和政策課が提出してきました。
 目的は「東御市人権尊重のまちづくり条例第4条に基づき、平成18年2月に策定した『東御市人権施策の基本方針・基本計画』は、5年毎(平成22年度、平成27年度)に改定を行い、見直しをしているが、次回第3回目の改定は、平成32年度に行う計画である。改定の基礎資料とするため、改定の前年に『人権と暮らしについての意識調査』『人権と暮らしについての生活実態調査』を行っており、平成32年度の改定に向け、平成31年度に調査を行う。」というものです。
 問題なのは、本年の9月から実施するという「実態調査」です。
 (素案) では、「調査項目(予定)・世帯構成・住・環境に関する状況・就業、経済状況・福祉、健康に関する状況・教育に関する状況・差別(人権侵害)に関する調査など」「前回調査と比較し、意識の変化があるかどうかを調査する。対象者は、市内同和地区出身者。実施にあた
り、人権同和相談員及び部落解放同盟東御市協議会と連携の上で行うこととしたい。実施方法として、調査員による聞き取りにて対象世帯の生活実態調査を行う。」という点です。
 前回の意識調査を改めてみたところ同和関連では「根深い差別がある」ことを前提にした項目が並び、そのコメントも〝引き続き同和対策が必要、強化すべき〟と結論付けるものとなっている
のが特徴です。
 実態調査では調査報告を情報公開で求めていますが、報告書は「非公開」としています。それにしても「市内同和地区」「地区住民」を特定しておこなう聞き取り調査は、参議院附帯決議が厳しく戒めている事柄であり、これ自体が人権侵害につながる重大な問題と考え、厳しく批判し、取り組みの断念を求めていきます。