特別決議
自公政権を退場させ、憲法を暮らしに活かす政治を

 2020年9月16日の臨時国会で菅政権が発足しました。
 菅政権は、めざす社会の姿として「自助、共助、公助」を掲げて、自己責任を強く打ち出しました。規制改革と行政改革でさらに公共サービスを切り刻み、中小企業や農林漁業の淘汰などで地域経済を苦境に追いこんでいます。
 また、森・加計・桜疑惑などの究明に背を向け、隙あらば9条改憲をねらう姿勢も露骨です。日本学術会議の会員人事について、推薦候補のうち6名の任命を拒否したことは、憲法が保障する学問の自由を脅かす重大事態です。安倍政権が進めた新自由主義と権力的な政治運営を受け継ぎ、定着を図ろうとしている菅政権の極めて危険な本質がこの間、明らかになりました。
 いま菅政権の金権にまみれた政治の私物化、国民のいのちとくらしを直撃する無為無策なコロナ対策、新自由主義をおしすすめてきた自公政治の矛盾が噴出し、国民の怒りの声がひろがっています。
 こうした国民世論と運動が9月3日、菅政権を退陣においこみました。
 全国人権連は、憲法擁護と憲法を暮らしに生かす立場から、国民各層との連帯、民主主義実現の諸運動を進めてきました。なかでも、平和・民主・革新の日本をめざす全国の会(全国革新懇)の賛同団体となり、「3つの共同目標(①経済の国民本位への転換、②憲法をいかした自由、人権、民主主義の発展、③日米安保条約の廃棄)」で一致する要求課題での共同、社会の進歩のために力をつくしてきました。
 くらしと経済がかつてない困難に直面し、アメリカへの従属と大企業の利益を優先する政治と社会の仕組みをより強固にしてきた新自由主義の行き詰まりが明らかな今、「3つの共同目標」を正面に掲げ、いのちとくらしを守る共同のとりくみで、革新懇運動の前進、市民と野党の共闘とかかわり、全国人権連が果たすべき役割はより大きくなっています。
 来る総選挙では、「市民連合」と野党4党の「政策合意」実現のために、野党共闘勢力が多数を占め、自公に代わる政権を実現するために全力をあげます。

 以上決議する。
 2021年9月30日 全国地域人権運動総連合第9回定期大会