(声明)
戦争への道、大軍拡・大増税、断固阻止へ
安保関連3文書閣議決定の撤回を

岸田自公政権は12月16日、「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の安保関連3文書を閣議決定した。「敵基地攻撃能力」保有を明記し、軍事費を現行の1.5倍超、今後5年間で総額43兆円にするなど、憲法の平和主義、9条を踏みにじり、歴代自民党政権が掲げてきた「専守防衛」の投げ捨てを強行した。
私たちはこの横暴を許さず、戦争への道を阻止し、平和な社会実現の闘いを展開する。

集団的自衛権の行使を認めた安保法制のもとで、時の政府が判断すれば日本が攻撃されていなくても「敵地」攻撃が行使でき、米軍とともに自衛隊が相手国の領土・基地を攻撃することが可能となる。国際法違反の先制攻撃であり、侵略戦争に道を開き、軍事的緊張を高める。「日本(国民)を守る」どころか原発への攻撃による核被害も生じかねない戦場になる。極めて危険な道に踏み込んだ。

米国製の巡航ミサイル・トマホーク導入、科学技術の軍事動員、港湾や空港の軍事利用、第三国への武器輸出を可能にする「防衛装備移転三原則」の運用方針見直しなど、絶対に許されない。

岸田政権は「軍事対軍事」を煽りこそすれ、平和外交探求の戦略は国民に示さない。マスコミにたいし国民の怒りを共有し、違憲強行の政権追及報道を求めてゆく。

岸田首相は、大軍拡の財源として「国民の責任で」「増税」を指示した。そもそも、岸田首相も自公両党も43兆円の大軍拡や大増税をこの間の国政選挙で争点として説明していない。国民は政党政策選択を行う余地がなかった。しかも国のあり方を根本から変える大問題を、国会にもはからず閣議決定で決めた。立憲主義、民主主義破壊のまさに暴挙である。

国民はいま、コロナ禍に円安、物価高騰で暮らしが困窮する中、年金削減や医療・介護の改悪など、自公政権により生き地獄を味わっている。

全国地域人権運動総連合は、大軍拡・敵地侵略戦争の道を阻止するため、国民の人権と民主主義を擁護する闘いを土台に、立憲政党や国民各層との協力共同に全力をあげる。

2022年12月20日
全国地域人権運動総連合常任幹事会