4/27投票、即日開票となった山口の補欠選挙は、二万票以上の大差で民主党候補が自民党候補をおさえて当選した。この結果についてこれからあるであろう衆議院解散総選挙に向けて新聞各紙はもとよりテレビでも、なぜ自民党が負けたのか様々なコメントが出されていた。
山口では両陣営とも大物国会議員や有名国会議員を総動員。3/31で失効したガソリン税の暫定税率を4/30に衆議院で再可決するという自民党の福田総理は応援演説で、「後期高齢者医療制度」について、「(この法案は、)お年寄りも少しは負担してもらってもいいんでは、そんなことでつくられた、、、」と、まるで他人事のように発言。その発言に有権者が反発と新聞各紙は分析している。それは勿論正解だろう。
山口は明治維新以降、歴代内閣を一番多く排出したいわば保守王国であり自民党の牙城。福田総理の発言だけでなく、有権者の今回の審判は、高齢者いじめもさることながら、与党政治のあり方そのものに対する不満の表れそのものであったと思える。
■ともあれ、今回の補欠選挙の争点の一つであった75歳以上のお年寄りを対象に4月1日から始まった「後期高齢者医療制度」をめぐり各地の混乱は続いている。全国で保険証が届かない人もすごい数にのぼる。あちらこちらの役場の担当窓口にはお年寄りからの電話や訪問が相次ぎ、対応する職員も大変だとのこと。窓口を訪れたお年よりは、「介護保険料もいつの間にか値上げされ、今度は毎月6000円もの保険料負担。これからどうなるのか」「いつこんなことが決まったのか」「国は年寄りに死ねというのか」等、不安や怒りを担当者にぶつけている。まさに「21世紀の姥捨て山」政策だ。
九州の各自治体では、制度開始前の1月から3月に亡くなったり転出したりした人にも保険料を年金から天引きする通知書が発送される事例が相次いでいる。各自治体は徴収対象外の保険料は「速やかに還付する」としているが、年金問題同様、混乱は避けられない。
そんな中、福田総理は「後期高齢者という名称がよくないのかな、長寿医療とでもすれば」とトンチンカンなコメントをしたが、それがもとで「後期高齢者を長寿」と呼びかえた程度で解決できるとでも思ったのか厚生労働省のお粗末さには、開いた口が、、、。
政府の狙いは、マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」で描かれたアメリカ型医療福祉のようだが、国民は非正規労働も年金ごまかしも、ましてや21世紀の姥捨て山はけして許さない。
★政府与党はこれら国民の切実な声にどうこたえるのか。
★「シッコ」見てない人はレンタル店へ。(米国は貧困層の激増で「国民皆保険制度の創設」を新たに考えているといわれている。日本政府は米国政府から突きつけられた「年次改革要望書」にもとづいて、郵政民営化に続く国民皆保険制度も共済制度も解体しようとしている。将来的に大きな分岐点となるいま見ておく必要性大のドキュメンタリー作品)