あいさつする清水信江さん地域を元気にし、あわせて雇用や仕事づくりを模索しようと、全国人権連常任幹事会が企画し同メンバーと岡山県人権連高齢者福祉事業検討委員会メンバーの合同学習会が、104日、岡山市の岡山県民主会館で行われました。

当日は穏やかな晴天のもと、島根県太田市を中心に建物管理・介護・清掃などを手がける「労協しまね事業団」の理事とケアハウスすずらんでケアマネをしている清水信江さんが講師。

講師の清水さんは、日常的にはケアマネとして勤務していると自己紹介を兼ねて「労協しまね事業団」の理念や歩み、事業内容を説明。

事業団は19793月に失業対策事業の受け皿として出発し、「身の回りで困りごとがあつたら何でも言ってください。草取りから溝掃除、何でも仕事をさせてください」と設立時から「人と地域に必要とされている仕事を」をモットーに日雇い労働者の生活保障を地域でつくりあげようと自治体から出される事業だけに頼らず、一般家庭の仕事を取り組み、何でも屋的な仕事から出発。

その後、大工さんなど建築・建設関係の人たちも仲間に加わってくれたことで、家一軒まるごと建てる経験もあったことも紹介。(実は清水さんの実家もそれで建てたとのことでした)

その後、事業団は清掃や駐車場管理だけでなく、ビル管理全体も手がけるようになります。島根生協病院の保守管理業務等を受注し、事業範囲や事業エリアも次第に拡大するなかで、もっと地域の人たちの役立つ仕事をしたいと、「地域アンケート」の実施や事業団の理念の継承のための組織内「人づくり研修」を定期的に実施していることも紹介。

人づくり研修については、今日では、ハローワークを通じて就職先として事業団に入ってきた人たちも多くなっているなかで、「事業団は、みんなが資金を出し合い、みんなで仕事をする。誰かに雇われているのではなく、自分も経営にかかわっているということを忘れないようにしよう」と、きちんとテキストをつくって組織内研修に取り組んでいると聞いてなるほどと納得。

事業団は、現在、20歳前後80歳代の人たち120人の組合員で年間約26000万円の事業高。最近、デイケアだけでなく、小規模多機能型居宅介護事業施設「すずらん」もスタートしさらに事業が拡大しているとのこと。

全国人権連関係でもすでに福祉関連の事業展開をしているところもありますが、こういった島根のリアルな報告をおおいに学ぶことで、もっと地域の人たちに喜ばれ役立つ事業を考える上で大変参考になった学習会となりました。