麻生首相の増税発言に対する各界連事務局長の抗議談話
消費税廃止各界連(各界連)の嶋岡千年事務局長は以下の談話を発表しました。
2008年10月31日
麻生首相は10月30日、金融危機に対応するとして追加経済対策を発表しました。中小企業への信用保証の拡大、家計への「定額給付金」はあるものの、設備投資減税・証券優遇減税など大企業・大資産家対策が依然として中心であり、景気浮揚にはほど遠い内容と言わざるを得ません。景気後退による消費減退や、金融危機を口実に労働者の首切り・中小企業へのいっそうの貸し渋り・貸しはがしが予想される情勢にあっては、本格的な雇用対策・庶民減税・社会保障充実策、中小企業への支援策が求められています。
重大なことは、年内に税財政の「中期プログラム」をつくり、「3年後から消費税率を引き上げる」と明言したことです。私たちはこのことに強く抗議するものです。
1回限り2兆円程度の給付金を受け取る代わりに、3年後から消費税率アップによる10数兆円の増税がされれば、家計と中小企業に大打撃を与え、大変な景気後退が再び起こることは明らかです。消費税が導入されてからの20年は「社会保障のため」とうたわれた消費税が、社会保障のためでなく大企業・大資産家減税に使われてきたこと、社会保障制度は改悪の一途であったということが歴史的な事実です。その結果、憲法の示す「応能負担」原則は弱められ、税制の不公平は広がり、社会には「貧困と格差」がまん延しています。
国民は「社会保障財源のためであっても消費税増税に反対」が多数です。この世論が増税勢力の画策する増税スケジュールを延期させてきました。小泉改革以来、国民には消費税率で5%にも匹敵する毎年12兆7千億円もの税と社会保障の負担増がかけられています。一方、大企業・大資産家には4兆3千億円もの減税がおこなわれており、中期的な税財政の改革というなら、この逆立ちした仕組みを真っ先に改めることを要求します。
消費税廃止各界連は、国民世論をいっそう高めて解散・総選挙に追い込み、増税勢力に国民の審判を下して、消費税増税計画を完全に断念させるためにいっそう奮闘する決意です。