ソマリア沖での商船を狙った海賊からの防衛を口実にした自衛隊の海外展開が大きな問題となっている。弁護士の内藤功さんは、4/25付けの平和新聞の1面で次のように述べています。「アメリカは、ソマリア沖の海賊問題をパキスタン・アフガニスタン・イラクなど、この地域一帯における『対テロ戦争』と位置づけいます。あの海域には中国やロシア、インドもそれぞれの思惑をもって軍艦を派遣しており、アフリカのエネルギー資源をにらんだ覇権のぶつかりあいという面も背景の一つにあると思います」。

各国軍艦による活動があるなかで、海賊事件は、減るどころか逆に増加する一方。アメリカ国内では「ソマリア陸上の海賊やイスラム過激派の拠点を空爆しろ」という意見もでているなか、日本政府は、海上自衛隊の護衛艦に続いてP3C哨戒機や航空自衛隊のC130輸送機、陸上自衛隊の警備隊までも出すというのだから、事実上の自衛隊総動員体制で、各国のエネルギー確保と覇権の渦の中に飛び込む方針を打ち出すなど、憲法改悪のシナリオとあわせて危険な状況にあると、「日本政府の海賊対処の本質」をするどく指摘しています。

第一次、第二次世界大戦に突入した時代背景といまはよく似ていると感じます。金融破綻と労働者の大量解雇で広がる貧困問題、そして国内政治に対する国民の政治不信。こういったゆきずまった情勢のなかで、これまで戦争突入が行われてきた事実をいままさに思い起こすときではないでしょうか。