特別決議・参議院選挙勝利で憲法を活かす

 戦後70年の昨年9月、8割以上の国民の反対を無視し、安倍自公政権が安保関連法案(戦争法案)を強行採決した。今年、念頭の所信表明で安倍首相は、憲法「改正」を表明した。加えて、高市総務大臣が公然と「放送局の電波停止」に言及するなど、戦争へと突きすすむ安倍自公内閣の暴走が露になっている。
 自民党の憲法改正草案は、現憲法に比べると明らかに多くの問題を含んでいる。まず、憲法前文で高らかに謳われた国民主権と恒久平和主義が消え、議会制民主主義の根幹である立憲主義を意図的に欠落させている。改正草案の各条文では「天皇の元首化」、自衛隊に代わって「国防軍」の設置、9条2項の改悪で戦力の行使を可能にし、個人の尊厳など国民の基本的人権を「公益及び公の秩序を妨げない」範囲と条件をつけて規制、国民の権利を否定し義務を強要するなど、国家主権が前面に現れており、戦前の大日本帝国憲法に復古する内容になっている。
 昨年の6月以来、改憲派の憲法学者までが「安保法案は憲法違反」と異議を唱え、ほとんどの憲法学者を始め既存の組織に加え、大学生たちのシールズをはじめ、子育て中の若いママの会、文化・芸能関係者、高校生の会まで誕生し、強行採決のときは、雨に中を国会周辺に23万人が押し寄せ、「戦争法反対」「だれの子どもも殺させない」と訴え、抗議した。
 以来、今日まで「戦争法廃止」、「野党は共闘」のスローガンのもと、毎週、全国津々浦々で、それぞれの団体や個人がさまざまな工夫を凝らした運動が展開されてきた。戦争法廃止の2000万署名の総がかり運動が大きな力になり、この市民・世論のうねりに押されて、全国32の参議院選挙1人区で「野党と市民」の統一候補が実現した。
 私たちは、現憲法のすばらしさを確認し、憲法を守り活かす運動をさらに推進し、地域人権憲章を地域社会に活かすために、来る6月22日公示、7月10日投開票の参議院選挙では、人権連あげて、「戦争法廃止」「集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回」「立憲主義・民主主義の発展」「国民生活改善」などを公約する政党、候補者の躍進と当選のために全力を挙げることを全国人権連第7回定期大会の総意として確認し、決議する。

2016年6月12日      
全国地域人権運動総連合第7回定期大会