(アピール)
市民・野党の共闘の力を発揮し、安倍政治に終止符を
―歴史的な参院選挙に勝利し、「国民が主人公」の政治へすすみだそう

 参院選挙が、本日6月22日公示、7月10日投票でたたかわれます。
 戦争への道か平和か、独裁か民主主義か、日本が戦後最大の岐路にあるもとで、市民・野党が共闘してたたかう歴史的な政治決戦です。32の1人区すべてで野党統一候補が実現し、複数区、比例区でも、自公勢力を少数に追い込むため大義をかかげた熾烈な闘いがおこなわれています。全国人権連はこの参院選で心あるすべての政党、団体、個人が戦争法廃止、立憲主義の回復、個人の尊厳を擁護する政治の実現にむけて力を合わせてたたかい、必ず勝利し、安倍政権を打ち倒す機会にすることをよびかけます。
 安倍政治は、憲法を蹂躙し、平和とくらし、民主主義を破壊する暴走を続けてきました。これに対し国民は、戦争法反対の空前の国民運動のうねりをつくりだし、市民・野党共闘を実現しました。国民が政治を動かし、野党が全国的に統一候補をたてて市民とともに選挙をたたかう――日本の歴史上、はじめての経験です。
 安倍自公勢力は、決して国民の支持を得ていません。原発推進、辺野古新基地建設の強行、TPP(環太平洋連携協定)の調印強行、社会保障・医療の改悪――どれをとっても国民の怒りと不安をよんでいます。アベノミクスの破綻もいよいよ明らかになり、消費税増税路線からの転換を求める声もひろがっています。市民・野党が力を合わせてたたかえば多くの国民に政治を変えることへの希望をもたらすことができます。無党派の7割が野党統一候補に投票した衆院選北海道5区補選の結果をみても、“オール沖縄”勢力が大勝した沖縄県議選の結果をみても明らかです。選挙戦は「野党と市民」対「自公と補完勢力」との構図が鮮明になっています。自公勢力は、「野合」などと攻撃していますが、市民の求めに応え憲法を守るために共闘すること以上の大義はありません。
いま私たちは、政治を変える、歴史的な瞬間にいます。国民こそ主人公――この立場で、政治にあきらめ、投票に迷い、棄権していた多くの人びとに、国民一人ひとりが幸せになる社会をつくろう、そのために投票に行こう、野党統一候補を支持しようと訴えましょう。
 全国人権連は、先の第7回全国大会で「参議院選挙勝利で憲法を活かす」「時代逆行の『部落差別』固定化法断固阻止に奮闘する」決議を満場一致で採択しました。
 とりわけ自公らは憲法の立憲主義的人権規定を骨抜きにし、国家が恩恵的に管理する改悪を選挙後一気に強めようと企んでいます。さらに差別問題の保守的対応により実質的な個々の人権拡充ではなく「教育・啓発・相談」で国民間の問題にすり変えようとしています。部落問題も属性や歴史的経緯を無視し、保守的対応の手段とする法案が衆議院に継続審議になっています。社会問題として部落問題は基本的に解決しています。国民の民主主義的力量に確信をもち、自公の野党分断戦略を打ち破りましょう。
 日本の進路がかかった参院選挙で、主権者のみなさんが、活発に政治を語り、声をあげ、希望ある社会を実現する選択をされることを心からよびかけるものです。

2016年6月22日
全国地域人権運動総連合(全国人権連)常任幹事会