長かったトンネル塵肺訴訟が決着しようとしている。ほんとに良かったですね。トンネル塵肺訴訟については全国オルグ団の方々が事務所に来られ色々なお話をお聞きし、署名なども少しばかりお手伝いした関係で気になっていました。「塵肺」患者の皆さんやその家族、訴訟に向けて取り組みは大変だったと思います。塵肺は肺の一つ一つの細胞が死滅していく大変な病です。塵肺は1期、2期、3期と進み、日常生活に大きな支障が現れ、酸素吸入が常時必要になってきます。
私の地元は、石灰産業が盛んです。私の知り合いや同級生もそこで働いています。そこでは塵肺とほとんど同じ症状になる「軽肺」にならないための安全管理が徹底されています。皆さんは塵肺と軽肺についてご存知でしょうか。
昔は、炭鉱やトンネル作業に従事する労働者に塵肺や軽肺のことがまったく知らされないまま作業が進められてきました。一定期間その作業に従事すると、たとえその仕事を辞めても、その後、発症するのが塵肺と軽肺という病気です。
そのため国や企業は病気の内容について作業員に知らせ、安全基準、安全管理を徹底しなくてはならないのです。日本では、それが大きく遅れていたため解決に長く時間がかかってしまいました。ハンセン病の時と同じです。ハンセン病も隔離が必要な病でなく、また特効薬もあったのに、それが長い間患者にも家族にも国民に知らされなかった。そして大きな犠牲を生んだのです。
トンネル塵肺も解決に大きく動き出しましたが、患者や家族の方々の苦悩はまだ続きます。二度とこんなことが繰り返されないためにも、政治がまともに機能するように国民的監視が必要ではないかと感じた記事でした。