全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協・会長宮里光雄)では現在、「ハンセン病問題基本法を制定し、開かれた国立ハンセン病療養所の未来を求める国会請願署名」運動をすすめており、この署名運動に全国人権連も賛同人として取り組みます

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現在の課題は、いわゆる「ハンセン病療養所将来構想問題」で、その取り組みの柱として標記の署名運動を展開し、向こう1年間に100万人の市民の署名を得るのが目標です。

ハンセン病元患者は戦前戦後をとおして、官民一体となってすすめられた「無らい県運動」や「強制隔離絶滅」を基本とする国策によって全国13か所の国立ハンセン病療養所に強制収容されました。療養所には本年5月1日現在で2890人の入所者がくらしており、その平均年齢も既に78歳に達しています。

国は隔離政策被害者に対する法的責任において、入所者の意思に反して転園させないことや生活保障を約束していますが、ハンセン病療養所は、離島や山の中など、地域から隔絶された場所に設置されており、入所者が減少していくにしたがって医師も来なくなりつつあります。

当面の課題として療養所の諸条件を整備しつつ療養所を多目的な施設とし、地域や社会に開かれたものにすることが必要です。そのためには三つの障害を克服しなければなりません。一つは、「らい予防法の廃止に関する法律」という「法律の壁」、二つ目に社会の「差別の壁」、そして三つ目に国の「政策の壁」です。

全療協では、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団、同弁護団、社会復帰者、市民の支援団体等とともに「療養所の将来構想をすすめる会」を結成、ハンセン病問題の原点である差別・隔離政策からの被害回復」を中心に据えた「ハンセン病問題基本法」の制定を求める運動をすすめています。