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 国民の基本的人権、言論表現の自由を抑圧する
 現行「人権擁護法案」の抜本的見直しを

 鳩山法務大臣は10月末の衆議院法務委員会で、所信表明から踏み込み「国会に再提出したい」との意向を明らかにしました。
 2003年に3度の継続審議を経て廃案になって以降、05年、06年と、与党「人権問題等に関する懇話会」が中心になって法案の修正、国会上程の動きがありました。
 しかし、多くの国民をはじめマスコミ、与野党の国会議員等からも、「修正」で済む代物ではなく、審議会答申にこだわらず制度設計の根本からの見直しが必要と指摘され、国会上程には至っていません。
 私たち全国地域人権運動総連合(略称=全国人権連)は、前身である全国部落解放運動連合会当時より、国民の人権擁護と部落差別解消に奮闘し、「越えがたい壁」であった結婚問題などでの自由な社会的交流の前進に力をつくし、部落解放同盟などの暴力的「差別糾弾闘争」の一掃、不公正乱脈な同和行政の是正と終結を働きかけてきた団体です。 人権擁護推進審議会の意見陳述では、司法制度の充実、「人権」「差別」等の名のもとに言論・表現や取材活動の自由を規制し「差別糾弾闘争」の合法化につながる法律は必要ないこと、中立・公正な人権擁護委員の選任と委員会の民主化等を主張してきました。
  一方、「人権擁護法案」の自治体版として部落解放同盟が中心となって推進した「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」は、10月18日に見直し検討委員会が意見をとりまとめ、「人権問題を広く対象とし、かつ準司法的に取り扱う現条例は十分に機能せず、弊害も多く適切な運用が期待できない」と、事実上、条例廃止を指摘しました。
 「人権擁護法案」についても、鳥取条例と同様、人権侵害の実情の再把握と現行法規等による救済の状況などを、あらためて見直し検討することが、誠意ある対応というものです。
 与党・政府おいては通常国会への人権擁護法案の再提出を断念し、国民の期待にかなう人権擁護の体制を、あらためて検討し直されることを強く要請するものです。