調査会での、いかなる「人権」関連法案の強行採決に反対する
2008年5月29日
自民党人権問題等調査会
太田誠一 会長 殿
全国地域人権運動総連合
議 長 丹波 正史
全国地域人権運動総連合は、前身の全国部落解放運動連合会の時代を通じ、国民融合にもとづき部落問解決を果たしていく運動を各地で展開してきた。同時に特権的同和行政や確認・糾弾路線のもと国民と部落住民の分断をはかる「解同」や権力に対して厳しく批判を行ってきた団体です。
昨年来の調査会での議論を注視し、現行人権擁護法案の枠組みでは人権侵害を生じることから、国民の人権侵害実態のそもそもからの議論と制度のあり方を検討するよう貴殿および法務省にも求めてきました。
このたび、報道では太田案がまとまり、本日29日の調査会にかけ、今国会提出をはかるとされています。
そもそも市民の言動をどのように規定しようが「差別的言動」として、国家機関が介入・規制することは、憲法に反し、言論・表現の自由、内心の自由を侵害することになるものです。
何を持って「差別的」とするのか司法でも難しい事案であり、言論規制は行うべきではありません。
国連が求める、子どもや女性などの人権を保護する監視機関や、大企業内の人権侵害を迅速に解決する仕組みこそが求められているものです。
国民に開かれた議論をすることなく、拙速で立法根拠のあいまいな、一部の有害な差別規制論を取り入れた法案の強行採決に反対します。