「全国一斉学力テスト」と個人情報保護、学校の序列化
文部科学省は、ゆとり教育の弊害で子どもたちの学力が低下しているとして、本年4月24日、全国の小学6年生と中学3年生を対象に「全国一斉学力テスト」を行うとしています。理由は世界の先進諸国のなかで日本の子どもたちの成績が落ちているからというもの。
この一斉学力テストに関しては、採点と集計を民間企業のNTTデータとベネッセ・コーポレーションの2社が一手に引き受けることになっています。予算は67億円を計上している模様。児童生徒個々人の成績データや予備調査として行われる設問から家庭環境など多方面にわたって個人情報が民間業者の手に渡ることになっています。
問題が多いと各地で実施反対の声があがっている中、愛知県犬山市では早々とこのテストは実施しない方向を表明しています。
人権連では文部科学省などに本問題について反対の申し入れをおこなっています。学区制の廃止などと合わせて、子どもたちをめぐる教育環境はきびしくなる一方です。
子どもたちにいま必要なのは「日の丸」「君が代」の強制や競争によるふるい落としではありません。
ちなみに世界の子どもたちの成績に関して一番は、北欧のフィンランド。この国では子どものときにはのびのびと学校生活を楽しむよう奨励し、日本のように成績表(通知表)はつけないとのことです。このことからも「詰め込み」や「強制」は逆効果しか生まないことが明らかです。