30年経過してやっと再審の扉へ向けた動きがはじまろうとしている。昭和42年、茨城県利根町布川で大工の男性が殺害され現金を奪われた。この事件は、「布川事件」と呼ばれ警察・検察の自白強要が大きな問題となった「冤罪(えんざい)」事件。
強盗殺人罪で無期懲役刑が確定した元服役囚の桜井昌司さん(現在61才)と杉山卓男さん(現在61才)の第2次再審請求の即時抗告審で、東京高裁(門野博裁判長)は14日、再審開始を認めた水戸地裁土浦支部決定を支持し、検察側の抗告を棄却した。
凶悪事件が多発するなか、鳩山法務大臣の異例とも言える「死刑執行」の多さが目立つ。そんな状況のもと来年5月21日から「裁判員制度」もスタートする。間違って捕まえた無実の人を死刑にしたり無期懲役など罪に問うことのないように科学的な捜査が必要だが、現実はドラマや映画と大きく違って、思い込み捜査・初動捜査の遅れが後に「冤罪」を生み出している。一旦、犯人だと思われれば、その人は仕事や家庭を失っているのが現実だ。後から「間違いだった。すみません」ではすまない。
まずは世間から「冤罪」をなくす努力が必要だろう。