「私立高」授業料滞納増加に文科省はどう歯止めをかけるか
1年間に経済的理由で私立大学を退学する者の数、毎年1万人。この問題をどう解決していくかが大きな課題となっている。これは単純な中退問題ではない。背景に親の経済格差が子どもの教育格差となって現れていることが重要だ。全国人権連では、この問題に関して1年前の全国大会でも提起し、独自の「教育署名」として取り組みを始めている。いま第1次集約を行って、1月29日、30日に行った政府交渉のおり、文部科学省の大臣に1万筆あまり提出した。
この署名には、もちろん大学生だけでなく、高校生への奨学金の問題も掲げている。昨年12月末の日本私立中学高等学校連合会調べで高校生の授業料滞納は24490人となっている。昨年3月時点には7827人だから大幅な増加である。滞納率も0.7%から2.7%へと3倍化している。ブロック別でも地方都市にいくほど滞納率は高い状況をしめしていることも判明。
この数値は、文科省の依頼に基づいて調査された1321校中、回答のあった1218校のもので、対象となった生徒数は、91万3830人だから、本当の実数はもっと多いと見るべきだろうことは容易に推測できる。
こういった問題に政府・文科省、国会・地方自治体とその議会は、これからどういう対応をとっていくのかが問われるだろう。私たちの署名行動ももっと大々的に広げていくことが重要だと再認識。