原爆症認定裁判をめぐって国はどうする
いまの内閣・政府・霞ヶ関の官僚の言動をみていると、なんだかよくわからないことだらけのように感じられる。郵政、西川社長の「簡保の宿」の激安売り飛ばし問題で内閣を構成する大臣同士の意見が対立している。この問題について国民の意見は「鳩山氏と同じ」とみて間違いないところだろう。でも政府としては?・・・。
もう一つ、原爆症認定裁判をめぐる動きとして注目すべきは、舛添厚生労働大臣の記者会見だ。舛添氏は、敗訴を含めて全体を受け入れる考えを示しているが、実際の裁判では国側は「ABCC」調査内容まで動員して原告の言い分をひっくりかえそうとやっきだ。ABCCというのは、原爆投下後、アメリカ政府から派遣された医師など調査団の残した極秘資料のこと。この資料は、これまで裁判でも一切公にされてこなかったシロモノだ。舛添氏の言動とは別に厚生労働省は動いているのが現実。
原爆症裁判は戦後60年以上経過してもいまだ解決をみていない問題であり、早期の政治判断が待たれるところ。彼ら、彼女らはすでに高齢なのだ。その後生まれた被爆2世も同様に高齢化している。