2011年も自殺者が150人超えたという
日本国内での年間自殺者数は、よく新聞等でも報道さけているように、ここ10年以上にわたって3万人を超える異常な事態になっている。3万人とは、交通事故での死亡者数である15000人の2倍にあたる。交通事故での死亡者数は、事故後24時間以内の死亡。本当は、もっと多くの人たちが亡くなっている。
ところで、「2011年も150人の自殺者」というのは何かといえば、就職難による30歳以下の若者の自殺をしらべたものだという。2011年の場合、自殺した150人の中には、大学生44人、高校生4人も含まれているという。こんな状況が2008年のリーマンショック後、一気に130人へと推移し、現在も続いているという。
長引く経済の低迷、円高で輸出が落ち込み、多くの企業が採用を見合わせているのが原因だといわれているが、国内消費を落ち込ませ、日本経済を低迷させ、輸出だのみの歪な今日の日本経済をつくってきたのは、他ならない政治と財界の癒着にある。
新自由主義に傾倒した政財界が非正規労働を合法化し、人間の使い捨てをはじめたときから、「自分の事は自分でしろ」という自己責任が大手をふってまかり通る時代になっていったように思える。
「自己決定」を、自分に都合のいい勝手な解釈で「自己責任」論に置き換えている経営者たちもいる。
自殺者3万人×15年=45万人。自殺の背景は複雑だが、共通して「お金」の問題や「自分はダメなんだと思い込む」ことがあげられる。なかでも高校・大学を卒業して、就職を通して新しく社会人の仲間入りを果たそうとする若い人たちにとって、いまの現状はあまりに厳しい。大学生の就職率91%というが、実際には高校も大学も入口から「非正規雇用」である人材派遣会社への就職や期間職員もいれての率である点をもっと直視しなければならない。
大企業のトップは、正規職員を非正規に置き換え、その人件費や福利厚生を削った分で利益をあげようとする今の経営方針を改めなくては、どの道、将来的な国内消費を掘り起こしできない。労働者は消費者でもあることを経営者も政府と政党関係者もよく考えるべきだろう。自殺予防は、この点を抑えた上で行われるべきだ。