2007年5月1日

大阪府市長会等の「呼称問題」でのFAXの要請(緊急)  

 「解同」大阪府連が法的措置対象だった旧同和地区をどう呼ぶか、自治体で混乱が見られるとの口実により、「差別される地域がある」ことを自治体に認識させ、旧同和地区の実態調査の実施で「課題」を明らかにさせ、特別対策を継続強化する狙いがあります。

 特別対策を実施する実態的・法的根拠がなくなり(20023月末)、通常施策で周辺地域と共通する課題や問題を解決すべき段階であるにもかかわらず、「同和地区の課題を解決するために同和地区を特定せずに同和行政を進めることはできない」と「解同」府連が府市長会や府町村会に対し実態把握をはじめ諸要求を昨年5月に提出し、この要求を「解同」と意見交換しながら研究会等で議論し、次のとおり結論(一部を抜粋)をまとめたものです。 

【4】同和地区の位置付け・呼称について 

 特別対策による地区指定は、較差是正のため、一定期間に被差別部落である同和地区及びその地区の住民に対し重点的に事業予算を配分するために必要であった。特別対策の終了とともに、重点的に事業予算を配分する財政上の特別措置を行う対象地域の設定がなくなった。一言で言えば、これが特別対策の終了と地区指定解除の関係である。しかし、大阪の実態は、少なくとも平成12年並びに平成17年の府民意識調査から見ても、一定割合の府民が同和地区を忌避している。特別対策の終了に関係なく、差別する対象としての同和地区をはっきりと意識しており、社会的差別を受ける同和地区はなくなっていない。このことが、同和行政推進の原点であり、これを確認することにより同和地区の位置付け・呼称に関する共通の認識とするものである。

【5】まとめ

○ 被差別部落という概念に対して行政用語として登場した同和地区という呼称は、特別対策以前から使用されており、それを使用することは、特別対策の終了と何ら関係するものではない。

○ 同和問題解決のためには、課題がどのように推移しているかを把握する必要があるが、それを検証するためには、適宜、同和地区の実態を把握する必要がある。   

 この問題は、呼称問題といいつつ「解同」利権・同和対策の継続につながり、全国に波及しかねないので、「地域と人権」5月15日号でも取り上げます。 

 民権連の要請に応え、至急抗議のFAXを関係方面に送信願います。

 抗議文

「同和地区の位置づけ、呼称問題に関する研究会」報告書に断固抗議し、撤回を求めます 

 大阪府市長会・町村長会が確認しようとしている「同和地区の位置づけ、呼称問題に関する研究会」報告書案は、特別法が失効し、地区指定が亡くなっているにもかかわらず、事業を実施してきた地区を同和地区と呼称し、差別解消に向けた施策を推進するとして、行政が同和地区を固定化、同和行政を永続化させるものです。 これは、一斉地方選挙で示された同和行政終結、同和問題解決の府・市民の願いに反するもので絶対に許せるものではありません。断固抗議すると同時に撤回するよう求めます。 

FAX 

大阪府市長会会長 中司 宏 

 06-6942-4670 

大阪府町村会会長 上垣正純 

 06-6942-4670 

大阪府知事    太田房江 

 06-6941-7760 

民権連によれば、市長会は57日、町村会は9日に報告書案を確認しようとしています。