国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案が今日にも衆議院で採択され、参議院におくられる展開となっている。アメリカで国家安全保障局が日本も含めた政府首脳や先端企業の電話盗聴などをしていたことがスノーデン氏の内部告発で明らかになり、各国から非難が続出している中で、「日本版」の船出となりそうなのは、なんとも皮肉なめぐりあわせ。

安倍首相は、当初、この国家安全保障会議法案と特定秘密保護法案をセットとして、成立を目指すといっていたが、なぜか昨日の予算委員会採択以降の記者会見ではそのことに触れずじまい。特定秘密保護法案問題が弁護士会などの強い反対にあって、難しそうだだから、別モノとして、とりあえず日本版NSCを成立させようということなのだろうか。

日本版NSCの成立は、今後、政府機関として国家安全保障局というアメリカとほぼ同様の部署をもうける法案の提出へと向う。特定秘密保護法案は、その際、国家公務員法や自衛隊法等で情報漏えい(内部告発含む)をした場合の罰則を3~5年以下となっていたものを一律10年以下の懲役と罰金1千万円という高いハードルをもうけて、「モノが言えない仕組み」「国民へ知らせない」制度づくりへとつながっている。

「集団的自衛権」をめぐって内閣法制局長官の首をすげ替えてまで、ごり押しを狙ういまのやり方は、まるで「麻生副総理のナチツに学んだら発言」を地でいっているようにも思える人が多いのではないだろうか。安全保障の名の下に国民の電話や通信内容が盗聴され、戦争反対を願う集会が「公益、公の秩序に反する行為」とみなされる時代をつくってはならないとの意見も戦前の「治安維持法」問題をよく知る人たちから聴かれる。各都道府県弁護士会は現在29の弁護士会が「特定秘密保護法案」に「反対」する会長声明や見解を出している。まだのところも現在、準備中とのことだ。「人権」とは対極にある日本版NSCと特定秘密保護法案。

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