3月21日、江東区亀戸文化センターの会議室で「アイヌ文化と人権の集い」が開かれ、関東ウタリ会の北原きよ子さん(埼玉県上尾市在住・全国人権連幹事の講演「アイヌ文化振興法から10年・アイヌ民族の願ったものと現実」と、関東ウタリ会会長・丸子美記子さんによるムツクリの講習がおこなわれました。
 北原さんは、日露戦争で日本の領土となったカラフトで生まれ、敗戦の緊急引き上げ命令で両親・姉兄とともに北海道に来て、余市、日高、新冠できびしい生活を余儀なくされた少女時代を切々と語りました。アイヌ出身者を理由に、地域の大人や学校で生徒や教師からいじめられた体験、1965年京都で開催された高校生部落研集会への参加。70年に上京し、80年関東ウタリ会入会。86年には中曽根「単一民族発言」に対する怒りとこれへの抗議行動。そして1997年のアイヌ文化振興法制定、そして改憲をかかげる安倍政権の今日に至るまでを、自身の歩みとアイヌ民族の歴史を重ね合わせながら話しました。
 そして日本国籍を持つ少数民族としてのアイヌの権利の保障は、日本の民主主義の成熟度を測る一つのバロメーターだと述べ、さらなる努力が求められていると語りました