人権連備忘録

12年5月22日 火曜日

警察官OBが福祉事務所でアドバイス?

国民救援会の機関紙「救援新聞」5月25日号によると、 厚生労働省は3月1日「生活保護」関係課長会議を招集、すでにいくつかの自治体ではじまっていた福祉の窓口に警察官OBを配置している実態を更に拡大するために、全国各地の社会福祉事務所に「警察官OBを積極的に配置することを検討するよう」指示。-こんな記事がでていました- Continue Reading »

12年3月9日 金曜日

今こそ、個人通報制度の実現を!大集会

今こそ、個人通報制度の実現を!大集会

4月5日(木)18時~20時30分
場所 弁護士会館2階講堂「クレオ」

http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2012/120405.html

個人通報制度の実現をマニュフェストに掲げた新政権が誕生し、2年半余りが過ぎました。私たちは、新政権に期待を寄せその実現を求めてきましたが、未だ批准の運びとはなっていません。

日本の人権状況改善のため、広く市民、NGO、国会議員などが手を繋ぎ、個人通法制度の早期実現を求める集会を開催いたします。国際人権条約を扱った国内外の事例や今後の課題を取り上げ、個人通法制度の早期実現に向けた機運をさらに盛り上げていきたいと思います。

多数のみなさまの御参加をお待ちしております。

201245.pdf

12年3月1日 木曜日

第8回全国研究集会準備進む

全国水平社創立90周年となる今年、京都市内で6月30日、7月1日の2日間、第8回地域人権問題全国研究集会2012が開催される。昨年の和歌山集会につづき、貧困と格差問題をはじめ、昨年3月に発生した東日本団震災問題なども含めて、「人権」をキーワードに様々な角度から報告提起が行われる予定です。

開催地となる京都では、2月29日に各団体代表17名が参加して第2回現地実行委員会を開催され、全国人権の新井直樹事務局長が本部を代表して現地を激励しました。

今回の研究集会では、1日目の記念講演に元立命館大学教授の鈴木良氏を迎え、大阪経済法科大学教授の奥山峰夫氏が聞き手としてコーディネートします。

2日目は、6つの分科会に分かれて、テーマごとの報告提起・討論が展開される予定です。現在、3月末の開催要項を掲載したチラシの中身をつめる作業が行われているところです。

12年2月17日 金曜日

大阪市のアンケート調査の中止を求める日弁連会長声明を支持する

大阪市のアンケート調査の中止を求める会長声明
大阪市は、本年2月9日、市職員に対する政治活動・組合活動等についてアンケート実施を各所属長に依頼した。

本アンケートは、組合活動や政治活動に参加した経験があるか、それが自己の意思によるのか、職場で選挙のことが話題になったか否か等について業務命令により実名で回答を求めるとともに、組合活動や政治活動への参加を勧誘した者の氏名について無記名での通報を勧奨している。また、本アンケートは外部の「特別チーム」だけが見るとされているが、アンケート内容により回答者に対し処分を行うとされている以上、結局は市当局がアンケート内容を知ることに変わりはない。

このようなアンケートは、労働基本権を侵害するのみならず、表現の自由や思想良心の自由といった憲法上の重要な権利を侵すものである。

まず、本アンケートが職員に組合活動の参加歴等の回答を求めていることは、労働組合活動を妨害する不当労働行為(支配介入)に該当し、労働者の団結権を侵害するものであり、職員に労働基本権の行使を躊躇させる効果をもたらすことは明らかである。

また、政治活動への参加歴や職場で選挙のことが話題にされることを一律に問題視して回答を求めることは、公務員においても政治活動や政治的意見表明の自由が憲法21条により保障されていることに照らせば、明らかに必要性、相当性を超えた過度な制約である。そもそも地方公務員は、公職選挙法においてその地位を利用した選挙運動が禁止されるほかは、非現業の地方公務員について地方公務員法36条により政党その他の政治団体の結成に関与し役員に就任することなどの限定的な政治的行為が禁止されるにすぎず、その意味でも本アンケートは不当なものである。

ところで、本アンケートには、①任意の調査ではなく市長の業務命令として全職員に真実を正確に回答することを求めること、②正確な回答がなされない場合には処分の対象になること、③自らの違法行為について真実を報告した場合は懲戒処分の標準的な量定を軽減することが、橋下徹市長からのメッセージとして添付されているが、これも大きな問題である。

すなわち、アンケートの該当事項が「違法行為」であるかのごとき前提で、懲戒処分の威迫をもって職員の思想信条に関わる事項の回答を強制することは、いわば職員に対する「踏み絵」であり、憲法19条が保障する思想良心の自由を侵害するものである。

以上のように、本アンケートは当該公務員の憲法上の権利に重大な侵害を与えるものであり、到底容認できない。

当連合会は、大阪市に対し、このような重大な人権侵害を伴うアンケート調査を、直ちに中止することを求めるものである。
2012年(平成24年)2月16日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮 健児

12年2月15日 水曜日

機関紙「地域と人権」2月15日号 法務省交渉の内容など掲載

1~2面掲載201221512.pdf

8面まであります。

是非ご購読をお願いします。

12年1月5日 木曜日

2012 謹賀新年

新たな年のはじまり。東日本大震災、大津波、原発事故などをにより、全国各地に散らばって生活を余儀なくされている家族の方々など、これからも支援の輪が重要なことは言うまでもないが、何より国に対して「もっと迅速に」と望む声に政権がどう応えるかが問われている。

こうした国民の声とは別に、野田政権が年末に打ち出したのは、公約破りの「消費税増税」計画。マニフェストに掲げた公約は、白紙撤回が多くめだち、公約に掲げず、4年間は増税しないとしてきた「消費税」増税については、「まったなし、不退転の決意で臨む」「後は、野党協議で」と野田総理の弁を国民の多くはどうとらえただろう。マスコミで消費税とセット的に扱われる議員定数削減と公務員給与の削減問題。しかし、消費税議論に必要なのは、いかに低所得者に負担の重い逆進性の税制を改善していくかという点と、大企業・大金持ち、株式売買で高い収入を得ている富裕層に社会的貢献をさせる税制の仕組みづくりをどうつくり上げていくかということではないのだろうか。

昨年、ヨーロッパ、アメリカなどで広がった若者たちをはじめとした大規模なデモの参加者は、口々に「就職難と低収入で生活できない世界的な今日の「所得格差」が問題だ」「政府は、現実をわかっていない」と避難しつづけている。

富の再分配がきちんとされず、働く者が報われない社会、社会的弱者が取り残される社会、こうした社会のひずみが、世界的に問題になっている。フランスなど一部ヨーロッパ諸国では、大金持ちが新聞紙上で「私たちから税をとってくれ」と大広告をした。彼らは、国民のエネルギーが国を変え、歴史を変えてきたことを知っているからこそ、そうした広告を出したと言われている。日本では、こうした声は聞かれない。日本の財界人は、むしろ、「もっと税金をまけろ」といっている。

2012年、新たな年の幕開けは、昨年の東日本大震災、津波、原発事故等で改めて見直された「人と人とのつながり・絆」をより一層深め、何が大切なのか「価値観」の大転換を更に国民共通のものにしていく、その第1歩になればと願ってやまない。

11年8月26日 金曜日

福岡教育大学講演録掲載紀要にかかわる事実関係について

            2011年8月26日
福岡教育大学御中
全国地域人権運動総連合
議長  丹波正史
福岡県地域人権運動連合会
会長  川口 學

福岡教育大学講演録掲載紀要にかかわる事実関係について

冠省
8月25日付けの新聞各紙で「同和地域の中学へ不適切発言 福教大講演録に記載 『アウシュビッツ』表現 冊子回収」と4段見出しで、貴大学が2009年8月に福岡市内で開いた講演会で、講師として名古屋市内から招聘した大学教諭の事実関係を誇張した不適切な講演内容を講演録として紀要(論文集)に発表したが、関係者の指摘で「同大は不適切な内容」として回収を始めたと報道しました。
人権連の調査では、講師が例に挙げた中学校は名古屋市内の某中学校での出来事だと思われますが、父母や教師の悩みを真剣に考えるのではなく、大向こううけをねらって「面白おかしく」引用することは、小中学校の教諭に対する教育講演の内容にふさわしくないものと思われます。
ところが、新聞報道によると「講演録をまとめる作業は、大学の研究者が責任者となり、講師を務めた教授本人も原稿を確認。同大の教諭らの審査もうけたとみられるが、発言は素通りし、昨年3月に紀要が発行された」といいます。
現在、福岡県教育委員会の職員も入った調査委員会で事実関係を調査し、報告書をまとめ、その後、再発防止策、人権教育のあり方についての見解を示すとしていますが、調査委員会の見解をうけて、どのように対処されるのか、その考え方をお聞きします。その際、一部の運動団体から「差別確認・糾弾会(公開学習会)」の申入れがあるかもしれませんが、あくまでも貴大学の責任で真相の究明に努め、外部からのいかなる要請に応じるべきものではないことを最後に申し添えておきます。
以上

11年7月4日 月曜日

原発ゼロをめざす7・2緊急行動に2万人

原発ゼロをめざす7・2緊急行動に2万人
原発ゼロにむけ今日を出発点に

「原発事故は―もうたくさん!」「放射能は―もうたくさん!」「エネルギー政策を―かえよう!」「自然エネルギーに―かえよう!」―東京・明治公園で開催された原発ゼロをめざす7・2緊急行動には2万人が参加。原発ゼロをめざして国民的運動を広げようというアピールを採択し、集会終了後に代々木公園と新宿に向かってパレードし、シュプレヒコールを街中に響かせ沿道の人たちにアピールしました。

メイン集会で、呼びかけ人の原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員・伊東達也氏と自由法曹団団長・菊池紘弁護士があいさつ。

伊東氏は「放射能汚染は岩手から静岡まで500㎞にわたっており、前代未聞の事態になっている。福島では12市町村10万人が47都道府県に避難している。きれいな里山、きれいな海、あたりまえの労働、普通の生活を返してほしい。それができないなら、まっとうな補償をしてほしい。全国センターでは以前から、地震対策、津波対策を政府・電力会社に求めてきたが、対策が取られなかった。危険な原発から自然エネルギーに舵を切るには、国民的合意が必要。国民的運動、草の根からの運動に立ち上がろう。その先頭に立つ決意である」と述べました。 Continue Reading »

11年6月29日 水曜日

「税と社会保障の一体改革」 消費税率2015年までに10%

東京電力福島第1原発事故もあり、東京電力株主総会では、多くの株主から「経営幹部の高額報酬などをカットしてなぜ被災地支援にあてなかったのか」「原発には反対だ」といった経営側の姿勢を追及する意見が集中したといわれる。NHKや民報などの株主への事前聞き取りでも同様の声がありラジオなどで耳にした人も多かったと思う。今期の赤字額は1兆数千億円。東電の株価も暴落状態のままだ。

これより先に政府菅内閣は、東日本大震災復興財源問題なども絡めて、年金問題や医療・介護など社会保障費をどれだけ圧縮できるかを議論するとして「税と社会保障の一体改革」構想を打ち立て、前提としてマスコミ等を通じて、「消費税率のアップ」「所得税の一時上乗せ」「サラリーマンの妻など3号被保険者の厚生年金強制加入」「年金支給年齢の引き上げ」「医療費本人負担額の引き上げ」「医療・介護補助率の引き下げ」など、矢継ぎ早に構想の中身を「復興支援」「持続可能な年金制度へ」をキャッチコピー的に使用して、「これしかないんだ」と世論誘導を行っている。

震災復興のための財源は「復興特例国債」構想だ。これは他の赤字国債とは別に償還時期や内容を現在の国債とは変えて特例的に発行しようとするものだ。もともとは震災直後の共産党からの申入れだったと記憶している。ただ、こうした国債を230兆円以上の内部留保をため込んだ大企業にどれだけ買い取らせるかという活用のあり方が焦点となるだろう。これとは別に、法的根拠も何もない米軍への思いやり予算といわれる年2000億円以上湯水のごとく使っているものを止めて、復興財源にまわすべきだ。 Continue Reading »

11年1月6日 木曜日

「地域社会を人権のとりでに」 2011年の幕開け

新年、明けましておめでとうございます。

年末から年明けに、日本海側を中心に各地を襲った大雪。鳥取、島根で漁船が積雪で沈没し、車が大雪で埋没。鳥取では牛舎もつぶれて6頭の牛が下敷きになって死んだ。暑かった昨年の夏から初冬の頃と打って変わった状況が続いている。そうした各地の被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。

全国各地で雪の被害が伝えられる中で、自治体の「除雪費用」の工面も大変な状況に。自治体合併で、予算が削減され、あわせてじりじりとあがっている燃料代で大雪対策にも影響がみえだした。60歳以上の高齢者が圧倒的に多い中山間地、行政的呼称は「小規模高齢化集落」といいかえられた、いわゆる「限界集落」と呼ばれる地域で暮らす人々の交通の便の確保もあるが、それ以前に屋根の上に積もる積雪を除去する「雪おろし」作業が一苦労となっている。雪本番は1月末から2月中旬。

都市部でも、ドーナツ化現象と高齢者だけの世帯が急増し、介護、医療、福祉に関する高齢者のニーズは増大傾向にある。高齢者だけをとってみても大変な状況に、そのほか、子ども、女性など、個別の課題や就職難問題が社会現象となる中で、2011年の幕開けである。

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