資料室
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「表現の不自由展」中止についての声明
2019年8月4日愛知地域人権連合
一、 これまで差別問題を解決する上で、表現の自由を土台に据えて対応してきた。言論が抑圧されては人びとの間にある疑問や偏見、差別意識が解消しないからである。こうした立場を何よりも大切にしていきたいと考えている。このような私達の立場とともに憲法が国民に保障する表現の自由、検閲の禁止にかかわって、重大な侵害行為が発生している。
二、 愛知県内で開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」において、企画展「表現の不自由展・その後」が開かれ、さまざまな理由で表現の場が奪われてきた慰安婦像など二十数点の作品をめぐって、「撤去しなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する」などという抗議や脅迫が行われたという。しかも政治家の圧力に等しい発言がこの問題で加わる事態となった。これを受けて愛知県知事は安全上の理由からこの企画展の中止を表明した。企画を担当した芸術監督もこれに追随した。
三、 報道によれば、愛知県知事は「展示の中身に行政が介入したら、芸術祭というものは成り立たなくなる」と語るように、芸術作品に権力者が口を挟めば表現行為は死に瀕するものとなる。こうした人間社会を構成している原理を踏みにじる行為が昨今横行していることに対して、私達は社会的な警鐘をならしたい。意見の異なる存在を許さない社会はまさにファシズムの再来である。
四、 主観的で一方的な憎悪や敵意に基づく差別的・侮辱的かつ攻撃的・排斥的な言動であるヘイトスピーチが市民社会の日常生活の中に広がっている。こうした背景が今回の問題と結びついている。この原因の一つが最近のたび重なる政治家など権力者の差別的・侮蔑的な発言にある。これが庶民の間に影響を与え、社会的な状況を生み出している。
五、 安全上の理由から「表現の不自由展」は中止されたが、このような経緯を黙視できない。行政の対応はいかに安全を確保すべきかである。悪例が積み重ねられる中で、自己抑制が広がってはならない。表現の自由と検閲反対を強く訴えたい。
参議院選挙の結果について(談話)
2019年7月25日
全国地域人権運動総連合事務局長 新井直樹
7月21日投開票の参議院選は、自公の与党が改選77議席から自民が9議席減らし71議席となった。定数245の参院で非改選と合わせ141議席と、過半数を維持した。
自民党は公約で憲法改正を掲げた。「憲法改正原案の国会提案・発議をし、国民投票を実施し、早期の憲法改正を目指す」とした。自公維新の改憲勢力は、公示前勢力160議席(237議席の3分の2以上、欠員5)から157議席(245議席の3分の2未満)に後退し、3分の2の164議席に届かなかった。このことの意義はいくら強調してもし過ぎることはない。それでも安倍首相は選挙直後の記者会見で他党派の改憲勢力を取り込んで3分の2確保を目指すと言明した。
この意味は、比例で自公与党あわせて450万票余りの大量票を喪失に追い込んだことと、1人区で野党統一候補が10選挙区で勝利したことが、改憲勢力3分の2を阻止する上で大きな役割を果たしたと言える。
しかし民主主義の問題としては、全国の投票率が48.8%と50%を切り、戦後2番目の低投票率に落ち込んだことである。前回2016年参院選の投票率54.7%を約6ポイントも下回り、有権者の過半数が投票に行かなかった。今回は北陸、中国、四国、九州、沖縄の各地方でも軒並み戦後最低に落ち込んだ。国民の政治離れ、政治不信の拡大は、もはや全国共通の社会現象となりつつある。
背景には、安倍首相の「ウソをつく政治」、都合の悪いことには全て蓋をする安倍首相の究極のご都合主義に多くの国民は心底から嫌気がさしているのである。さらにメディアの「忖度」により選挙の論点争点が多くの国民の目に止まらなかった。現状維持となる「静かすぎる」事態は多様なメディアを駆使して変えるとともに、自由な選挙制度にすることが民主主義であり、国民の政治的関心を高めることが課題である。
全国人権連は、安倍政治を終わらせ、憲法が活きた希望ある政治へ、「市民と野党の共闘」の力を発揮し、参議院選挙で必ず勝利しようのスローガンのもと、各地で奮闘した。
憲法改正を訴えた安倍首相の路線が否定されたことは、日本の立憲主義と民主主義について危機感を燃やした「市民と野党」の頑張りの賜物である。
「市民と野党」は、安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復を原点にすえ、▽憲法改定・発議阻止▽沖縄辺野古の新基地建設中止▽福島第1原発事故の検証がないままなどの原発再稼働を許さない▽10月からの消費税10%増税反対―という国政の根幹部分で共通の旗を打ち立てた。これを受けて各選挙区では地域の実情に応じた豊かな協定を結んだ。
この政治的課題ならびに、「地域人権憲章」の実現にむけて、今後とも奮闘するものである。
2019年6月17日
全国地域人権運動総連合常任幹事会
参議院選挙勝利のために―全国人権連の声明
―安倍政治を終わらせ、憲法が活きた希望ある政治へ
「市民と野党の共闘」の力を発揮し、参議院選挙で必ず勝利しようー
全国人権連は昨年の全国大会で、「地域人権憲章」の実現と、政党支持の自由を保障し、安倍改憲を許さず、「市民と野党の共闘」前進の方針を決定し、6月7日の幹事会では国政選への具体的対応を確認した。
来るべき参議院選挙は、憲法9条をはじめ人権・民主主義の条文改悪を国会に提案しようとする戦後最悪の安倍政治の継続を許すのか、それとも安倍政治を終わらせ、憲法が活きた希望ある政治に踏み出すのか、日本の命運を左右する政治戦である。
安倍政治は、「安心100年」を言いながら生活保障の年金底上げや社会保障の充実などを行わず、自助の備えを促すだけである。また排外的国家主義をあおる安倍政権の言動は、人種民族国籍をはじめとする様々な差別主義を容認する土壌となっている。さらに、アメリカの欠陥兵器の爆買い、公的決裁文書の改ざんなど目に余る国政私物化、電波・官僚人事をはじめとする独裁的国権主義の暴走を続けている。安部政治こそが差別主義温存拡大の元凶である。人権と民主主義を守り、差別主義を許さないためにも野党共闘の勝利が必要だ。
「市民と野党」は、安保法制=戦争法の廃止、立憲主義の回復を原点にすえ、▽憲法改定・発議阻止▽沖縄辺野古の新基地建設中止▽福島第1原発事故の検証がないままなどの原発再稼働を許さない▽10月からの消費税10%増税反対―という国政の根幹部分で共通の旗を打ち立てた。これを受けて各選挙区では地域の実情に応じた豊かな協定を結んでいる。
勝利のカギは、本気の「市民と野党の共闘」を全国各地で発展させることであり、そこに勝利の保障がある。
全国人権連常任幹事会は、「市民と野党の共闘」の力を発揮し、野党統一候補の勝利、「3つの共同目標」を掲げ「市民と野党の共闘」の発展を推進する政治勢力の躍進へ、全国の組織がともに全力をあげることを呼びかける。
2019年5月20日
参議院選挙に日本維新の会から
全国比例区で立候補予定の長谷川豊氏へ
全国地域人権運動総連合
事務局長 新井直樹
極めて悪質な部落差別発言を撤回し、謝罪を求める
1,5月15日、YouTubeにアップされた講演会の動画https://www.youtube.com/watch?time_continue=1061&v=xxNG8U637xw、https://twitter.com/Shoji_Kaoru/status/1129952917031661569)「女は3歩下がって歩け」を説明する部分での部落差別発言は許しがたいものです。
2,内容は次の通り。
日本には江戸時代にあまり良くない歴史がありました。士農工商の下にエタ・ヒニン、人間以下の存在がいる。でも人間以下と設定された人たちも性欲などがあります。当然、乱暴などもはたらきます。一族、夜盗郎党となって十何人で取り囲んで暴行しようとした時に、侍は大切な妻と子供を守るだけのためにどうしたのか。侍はもう刀を抜くしかなかった。でも刀を抜いた時に。どうせ死ぬんです。相手はプロなんだから、犯罪の。もうブン回すしかないんですよ。ブンブンブンブン刀ブン回して時間稼ぎするしかないんです。どうせ死ぬんだから。「もう自分はどうせ死んだとしても1秒でも長く時間を稼ぐから、大切な君だけはどうか生き残ってほしい。僕の命は君のものだから、僕の大切な君はかすり傷ひとつ付けない」といって振り回した時に一切のかすり傷がつかないのが二尺六寸の刀が届かない三尺です。「女は三尺下がって歩け」、愛の言葉です。
3,部落差別を誘発助長する認識と発言
(1)近世社会の下位身分集団は役割負担を持って近隣身分集団・社会と平和的に存在し、治安維持に係わる役を担っていた地域集団もあった。しかしあなたは、性的暴行集団などと史実にも見られない虚偽をもって、「犯罪のプロ集団」と公の場で部落差別発言を行った。
(2)選挙応援講演の中で発言されたが、部落問題は1969年から2002年3月末まで法的措置のもと政府自治体をあげて解決に取り組み、特別対策を必要としない状況にまで到達したもので、基本的人権の尊重、偏見の解消など、教育啓発相談体制が採られてきたことの認識が欠落し、脈絡もなく、誤った近世身分理解・特定集団の排除を披露した。憲法の人権条項をも全く無視・軽視する人間性を疑わざるを得ない。
4,発言の撤回と謝罪を求める
あなたの発言は、部落問題解決に取り組んできた先人及び現在も取り組みを進める多くの人びとを冒瀆するものであり、発言を撤回し、解決に逆行する暴言を行ったことを心から謝罪することを求める。憲法尊重を価値観・血肉化出来ない人間は政治に係わらないことを求める。
福岡県議会は6日開会、21日閉会です。
1,提案撤回を迫る記事 2019129.pdf
2,県への要請文 2019129-21.pdf
3,反対請願 20190206.pdf
4,県内外から県会議員に反対を要請しよう 20160206-2.pdf
「湯浅町部落差別をなくす条例(案)」について皆様のご意見をお寄せください
http://www.town.yuasa.wakayama.jp/publics/index/112/&anchor_link=page112_1391#page112_1391
お問合せ:湯浅町人権推進課[湯浅町総合センター] ☎0737-64-1126
現在湯浅町では、今なお残る部落差別の早期解消を目的に、また一人ひとりの人権が尊重されるまちづくりを目指し、「(仮称)湯浅町部落差別をなくす条例」の制定を進めています。
これは、平成28年12月に施行されました「部落差別の解消の推進に関する法律」を踏まえながらも、町独自の取組みについて定めるものです。
本条例を制定するにあたり、皆様の声を反映していくため、次のとおり意見を募集します。ぜひご意見をお寄せください。
◆募集期間:平成31年1月4日(金)~平成31年1月28日(月)[17時15分必着]
◆募集対象者
①町内に住所を有する方
②町内に事務所又は事業所を有する個人、法人又はその他任意団体
③町内に所在する事務所又は事業所に勤務する方
④町内に所在する学校に在学している方
◆提出書類:意見書
◆提出方法
①持参:人権推進課[総合センター]まで
※平日:8時30分~17時15分
②郵送:〒643-0004 有田郡湯浅町湯浅2707番地1 湯浅町人権推進課[総合センター]あて
③FAX:0737-63-3792
メモ(全国人権連関係者)
湯浅町の条例案は部落差別解消法の成立を前提にしているが、法は問題の多い欠陥法であり、提案者は理念法だと繰り返した。よって国と自治体の役割分担を記しているが、自治体での条例化をはじめ新たな施策を求めていない。さらに法は「部落差別」の文言を多用しているが概念規定が困難なことから説明は不明のままである。条例も被差別部落、部落差別など概念規定が困難な用語を使用しており解釈上の混乱を招く。また差別者、被差別者に法人や団体を含めているが、そもそも差別の判定は困難なことが多く、係争を招きかねない、さらに不特定多数への誹謗中傷を条例の対象とするが法的には侮辱罪など個人に対するものが対象で有りいたずらに混乱を広げることは許されない。「部落差別の実態に係る調査」は国会審議や人権啓発センターでの専門家会議で、特定の地域や個人を対象とするものではないことが明確にされているもので自治体が独自に行うことを法は要請していない。モニタリングも町の施策に関する違法有害情報に係わる
削除要請をプロバイダーに行うことはあっても町行政が適不適の判断や消去、町民からの情報まで管理する必要はない、言論表現の自由を抑圧しかねない。さらに町審議会は不要で有り同和問題に係わる人権侵犯事案は速やかに法務局に通報することで済む。「差別者」への指導勧告命令等一連の対応を条例に記しているが、人権侵犯処理規程は法務局の専権事項であり町が事案や個人の内心に踏み込み事は人権侵害に値する。町への観光者なども条例の対象としているが、かつて鳥取県人権条例の範囲が国民全般に及ぶことから大変な議論になり問題の多い鳥取県条例は弁護士会や多くの世論の反対にあって破棄された経緯があることを想起されたい。
講演「『部落差別解消推進法』をめぐる争点-インターネット上の差別表現と法的規制」
講師 杉島幸生氏(弁護士、関西合同法律事務所)
20181115sugisima.pdf
報告「表現規制につながる都条例の問題、迷惑防止条例や人権尊重条例などについて」
報告者 梶山達史氏(東京人権と生活運動連合会副執行委員長)
1115kajiyama.pdf