11年1月16日 日曜日

年頭あいさつ

社会構造の激変に対応した地域人権運動の構築を
全国地域人権運動総連合議長 丹波 正史

 新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中はいろいろとお世話になり心よりお礼申し上げます。本年もよろしくお願い致します。
 今年は、前半が四年に一度の統一地方選挙、後半が「地域権利憲章」に関する人権連の臨時大会と、大きな課題をかかえています。この二つの課題を何としても成功裏に進めなければなりません。これらの取り組みの中ですべての自治体での同和行政を終結させるとともに、部落問題解決の大道の障害物である「解同」問題の克服に全力をあげる決意です。
 いま新たな取り組みが必要になっています。その根拠は3つあります。第1は、家族と地域をとりまく状況が大きく変わったことです。人類史が経験したことのないわが国での超高齢社会の出現、そして「限界集落」「無縁社会」などにみられる地域社会の深刻な崩壊状況です。第2は、新自由主義による権利破壊の進行です。働く人びとの就労形態や労働権が大きく損なわれ、貧困層の増大と格差社会の広がりです。このもとで平等権が空文化されてきています。第3は、アメリカと財界に奉仕する古い政治から抜け出せない政治状況での国民間での閉塞感の広まりです。戦後65年が経過する中で古い枠組みが政治疲労をきたし、国民の政治変革への願いにもかかわらず、国民本位の新しい政治の道が切り開かれていないことです。
 では、こうした社会構造の激変と旧態依然とした政治の枠組みをどう打開するかが問われています。地域住民運動の焦点をどこに当てるか、人びとの心を一つにする結集のカナメは何か、こうした課題にこえなければなりません。
 どこに焦点を当てるかでは、第1に、深刻な実態と広がりをみせる貧困問題の克服の取り組みです。第2に、高齢者に人間らしい生活を保障するために、医療や介護、生活支援の取り組みです。第3に、就職難、派遣切り、ワーキング・プアなど、若年層の就労問題での取り組みです。これらは地域人権の課題そのものであり、まさに今こそ人権連の存在意義を示すときです。
 人びとの心を一つに結集するには、血縁と地縁の最後のセーフティネット、安全網をどう運動論、組織論で築いていくかにあります。この地縁、血縁が希薄になった背景には、労働者を使い捨てにする大企業の勝手を許している社会システムにあるといわれています。人口構成の急激な変化に伴い、全世帯で一人暮らしが4割(2030年)に迫ると予測され、単身世帯の急増と超高齢化が地域社会を襲います。これは20年先の問題でなく、いま生活を営んでいる私達自身の課題です。悪政を許さない運動とともに、急激な社会構造の変化にどう運動が対応するかがカギです。
 そのためには、これまでの旧「部落」を基盤にした運動から全市民を対象にした運動へ視点の大転換をはかること、住民の多様な願いや要求に対応する「地域相談センター」などを立ち上げ要求実現の運動の先頭に立つこと、地域共同体の輪が薄れ、家族の中ですら一人ひとりが孤立する状況を打ち破る生活支援を含めた「絆」の組織形態を追求すること、住民の要求を実現するために介護などでNPOなどによる事業化を推進すること、高度経済成長以後、急激に増加した医療、介護、保育、教育など多様な専門職の人びとを地域で結集し地域づくりで活躍してもらう場を提供することです。
 こうした取り組みのキーワードは地域社会での権利獲得のためのネットワーク(網の目)づくりです。いま地域では多様なNPOなどの団体や事業所が活動していますが、地域づくりのための本格的なネットワークは形成されていません。この潜在力を血縁と地縁の最後のセーフティネットづくり活かせば、いままでの地域社会は大きく変わる可能性があります。
 私達は、人権連本部の体制を強化しながら、若い世代の後継者を大いに育成し、女性に活動舞台を広げてもらい、それぞれの世代にあった役割を果たし、地域人権運動を勇躍させましょう。

11年1月6日 木曜日

「地域社会を人権のとりでに」 2011年の幕開け

新年、明けましておめでとうございます。

年末から年明けに、日本海側を中心に各地を襲った大雪。鳥取、島根で漁船が積雪で沈没し、車が大雪で埋没。鳥取では牛舎もつぶれて6頭の牛が下敷きになって死んだ。暑かった昨年の夏から初冬の頃と打って変わった状況が続いている。そうした各地の被害にあわれた方々に心からお見舞いを申し上げます。

全国各地で雪の被害が伝えられる中で、自治体の「除雪費用」の工面も大変な状況に。自治体合併で、予算が削減され、あわせてじりじりとあがっている燃料代で大雪対策にも影響がみえだした。60歳以上の高齢者が圧倒的に多い中山間地、行政的呼称は「小規模高齢化集落」といいかえられた、いわゆる「限界集落」と呼ばれる地域で暮らす人々の交通の便の確保もあるが、それ以前に屋根の上に積もる積雪を除去する「雪おろし」作業が一苦労となっている。雪本番は1月末から2月中旬。

都市部でも、ドーナツ化現象と高齢者だけの世帯が急増し、介護、医療、福祉に関する高齢者のニーズは増大傾向にある。高齢者だけをとってみても大変な状況に、そのほか、子ども、女性など、個別の課題や就職難問題が社会現象となる中で、2011年の幕開けである。

10年12月24日 金曜日

「同和問題セミナー」開催のご案内

 今回の「セミナー」では、先ず法務省政務3役名で2010年6月22日に公表された「新たな人権救済機関の設置に関する中間報告」をもとに「国内人権機関」をめぐる情勢や課題について学びます。
 それから、「差別意識は着実に解消へ向けて進んでいるものの結婚問題を中心に依然として根深く存在している」(1996年地対協意見具申)との認識がいまもなお行政・教育等の方針に引き継がれ、実態に反する人権啓発が進められているもとで、この問題をどう考えるか、基調提起と各県報告から学び合います。
 ついては、積極的なご参加をお待ちしております。
                                      記
1,日時 1月27日(木)13:30~16:30(受付13:00~)
2,場所  〒101-0041 千代田区神田須田町1-26-3 エッサム本社ビル
           3階会議室(グリーンホール)TEL:03-3254-8787

                               JR神田駅 東口 徒歩3分
                              東京メトロ丸の内線 淡路町駅 A1出口 徒歩5分

3,内容
  13:40 講演「国内人権機関を考える、法務省『中間報告』と課題」
         講師 小池振一郎氏(第二東京弁護士会、ウェール法律事務所)
  15:00 講演「部落問題解決と『根深い差別意識』論への批判」
                  講師 丹波正史氏(全国地域人権運動総連合議長)
4,参加資料代 3000円(当日現金払いでも結構です)
5,前納振込先 みずほ銀行稲荷町支店 普通口座 1711925
             名義人 全国地域人権運動総連合
6,締め切り、申し込み先 1月20日  FAX027ー253-2744

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10年12月9日 木曜日

政府基本要求

第4回大会に提示。次の政府交渉の土台です。情勢にあわせて修正します。

20101114.pdf

10年12月4日 土曜日

自立支援法「延命」を強行に抗議する

抗議文を与党民主党に送信しました。

自立支援法「延命」を強行
民・自・公・み賛成 日本共産党は反対
参院本会議

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-04/2010120401_04_1.html

 障害者自立支援法を「延命」する法案が3日の参院本会議で民主と自民、公明、みんなの党などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党と社民党などは反対しました。

 これに先立つ参院厚生労働委員会の反対討論で日本共産党の田村智子議員は、自立支援法訴訟の原告らと政府が結んだ基本合意で、民主党政権が人間としての尊厳を深く傷つけたと自立支援法に反省を表明したにもかかわらず、「延命」法を強行することを厳しく批判しました。「つなぎ法案」としながら自立支援法の廃止は明記されず、自立支援法の最大の問題である「応益負担」の現状を変えるものでないと批判。「つなぎ」といいながら障害児施設の「一元化」など抜本的改定も盛り込まれていると指摘。新しい法律の制定めざして検討が行われている障がい者制度改革推進会議の議論を拘束しかねないとのべました。

 法案を国会最終日に提出し、当事者からの意見も聞くことなく、わずかばかりの審議で採決を強行することは、「私たちのことを私たちぬきでは決めないで」という障害者の願いを踏みにじるもので断じて許されないと強調しました。

共作連抗議声明
http://www.kyosaren.or.jp/No.280.pdf

no280.pdf

10年11月27日 土曜日

役員名簿の掲載

ページ専門部を役員名簿に変更

第4回大会選出役員名簿を掲載しました。

10年11月18日 木曜日

第4回全国大会提案「権利憲章」案

11月13~14日の大会に提案したものです。(上段の「憲章」バーにも掲載してあります。)

討議時間不足などの意見があり、一年後の臨時大会に再検討した案を提案することになりました。

大会提案11131.pdf

理解のために111311.pdf

10年11月18日 木曜日

第4回全国大会 特別決議

「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」への参加決定に反対する

 政府は11月9日、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」について、「関係国との協議を開始する」と明記した「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定した。その目的は、11月13日から開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、経済統合に取り組む菅内閣の姿勢をアピールすることにあると言われている。
 TPPは、自由貿易協定(FTA)の要素(物品およびサービス貿易の自由化)に加え、貿易以外の分野(人の移動や投資、政府調達など)も含めた包括的な「貿易障壁」撤廃を、多国間で協定しようとするものである。
 そのようなTPPへの参加は、国内の農林漁業などの第一次産業への影響はもとより、経済危機の原因ともなった「ハゲタカファンド」の投資行動や、産業構造への影響、産業構造変化にも起因する雇用への影響、移民労働問題、くつ・皮革産業の壊滅など、労働者にも直接的で広範な影響を及ぼすことが懸念される。にもかかわらず、菅首相が10月1日の所信表明で「参加検討」にふれ、それからわずか一ヶ月で交渉参加を決定するという経緯はあまりに拙速である。
 1995年のWTO発足以降、「自由貿易」のもとで激化した国際競争に一部の企業が勝ち残ることを最優先する政策が取られた。その結果、非正規労働者の増加と賃金低下がすべての職場に広がり、「派遣切り」や外国人研修生問題に象徴される人権侵害、労働者使い捨ての企業経営が横行した。「年越し派遣村」に象徴される労働者の貧困も、自由貿易の拡大によって生じた社会問題である。
 09年8月の政権交代は、そのような労働者のくらし軽視の政治への怒りに根ざしたものであった。雇用の安定や労働者・国民の所得増や地域経済活性化などを優先し、内需中心の経済への転換をめざすことが、総選挙での民主党政権への国民の負託である。
 TPPへの全面参加によって、340万人の雇用が失われることを農林水産省が試算、食料自給率は14%まで低下しコメの自給率は1割以下になる。北海道だけでも2兆1千億円も経済規模が縮小するとされている。WTO協定の実行で、もっとも被害を受けた労働者や地域に、TPPでさらに追い打ちをかけ、貧困と格差のさらなる拡大は許されるものではない。
 菅政権はTPP参加を求める一部大企業・財界の要望ではなく、悪影響を懸念する労働者、国民の声にこそ耳を傾けるべきである。農林漁業や地域経済の存在を危機に追いやり、地域での雇用喪失をより深刻化させ、国民生活破壊をもたらすTPPへの協議開始の撤回を強く求める。
 以上決議する。
 2010年11月14日 全国地域人権運動総連合第4回全国大会

10年11月16日 火曜日

全国地域人権運動総連合第4回大会終える

11月14、15日の2日間、福岡市内で第4回大会が行われました。第4回大会は、国民の一定の期待を得て誕生した民主党政権のもとで、依然悪化し続ける大企業優遇と労働者使い捨ての雇用や予算削減と仕訳によるコストダウンを名目に削減され続ける社会保障、医療、教育など各分野において、国民全体の要求に根差した取組みや地域社会における様々な人権課題に対する取組みや人権連運動をさらに発展させる今後2カ年の運動方針を決定しました。

また、第4回大会は、今国会で国民的な合意形成も国内食料自給率も、雇用も何もかも無視した上で、環太平洋パートナーシップ協定(PTT)へ参加表明した民主党菅政権へ対して、「参加すべきでない」ことを旨とする特別決議を採択し、内閣府宛てに抗議文を発送しました。

大会に関する内容は、機関紙「地域と人権」に掲載されます。

10年10月13日 水曜日

地域社会と住民の権利憲章

第5次案を掲載しました。

上記の項目をご覧下さい。

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